やや祭り

山形県庄内町に伝わる奇祭「やや祭り」とは

山形県東田川郡庄内町千河原地区に伝わる「やや祭り」は、八幡神社で行われる裸祭りです。この祭りの最大の特徴は、地区の少年たちが上半身裸にケンダイと呼ばれる腰蓑をつけた姿で参加することです。極寒の中、冷水を浴びるみそぎは、見る人に強烈な印象を与えます。

やや祭りの起源

祭りの起源は古く、第十五代応神天皇の皇子である大山守命に由来すると伝えられています。謀反により千河原に逃れた大山守命は、村人の弥左ェ門の産部屋に匿われました。身重の体でかくまってくれたことに感謝した大山守命は、「自分が死後、神となり村人を守り、安産を祈願する」と約束しました。この言い伝えから、千河原の八幡神社は安産と子孫繁栄の神様を祀る神社となり、村の若者が子孫不足解消のためにみそぎを奉納し、お百度を踏んで子孫繁栄を祈ったのが、やや祭りの始まりとされています。

戦時中には中断されましたが、戦後になり祭りは復興し、主役が少年たちへと移り変わっていきました。

祭りの日程

やや祭りは、もともと1月16日に行われていた八幡神社の歳越祭りでした。しかし、参加者への配慮から、祝日である1月15日（成人の日）に変更。さらに、ハッピーマンデー制度が施行された2000年からは、「1月15日に近い日曜日」に開催されるようになりました。

みそぎの様子

祭りは、5歳から15歳の少年たちによるみそぎから始まります。少年たちは、神社に作られた舞台の中央に立ち、両手を頭上に挙げて静止します。そこに、白装束の大人二人が、前日から汲み置かれた手桶の水を両肩から勢いよくかけます。真冬の寒空の下、冷水を浴びせられる少年たちの姿は、見る者に感動を与えます。見物人からは、少年たちの勇気を称える盛大な拍手が送られます。

みそぎの後には、高校生による「お百度参り」が行われます。数名の高校生が神社本殿と鳥居の間を往復し、子孫繁栄の祈願をします。

参加者の服装について

庄内町のウェブサイトでは、「素裸にケンダイと呼ばれるワラで作った腰蓑をつけただけの」姿と紹介されていますが、実際には腰蓑の下に水着や下着（トランクスなど）を着用している参加者もいます。

外部リンク

* しょうない写真館 庄内町役場ホームページ

やや祭りは、地域の人々の熱意によって受け継がれてきた伝統的な祭りです。極寒の中で行われるみそぎは、参加する少年たちにとって大きな試練であると同時に、地域の一員としての自覚を育む機会となっています。一度訪れてみてはいかがでしょうか。

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