裸祭り

裸祭りとは

裸祭りとは、主に男性が褌などの裸体に近い姿で参加する日本の伝統的な祭です。全国各地で行われており、その形態や由来は様々です。

概要

裸祭りは、参加者が生まれた時と同じ裸体になることで、清浄無垢な姿で神と交渉を行う神聖な祭事とされています。大きく分けて、以下の二つの意味合いがあります。

禊: 厄を落とし、新たに生まれ変わるための神事
占い: その年の五穀豊穣・豊作祈願・大漁祈願を占う神事

開催時期は、正月の修正会（しゅじょうえ）の最後や、川祭・夏越し祭りの際が多いです。正月の裸祭りは、物忌みを終えた氏子が新しい生命を得て復活した姿を示すもので、夏の裸祭りは、穢れを払う禊を起源とすると言われています。

歴史

裸祭りの起源は古く、1200年前から続く祭りも存在します。例えば、新潟県南魚沼市の毘沙門堂裸押合い祭は、国の重要無形民俗文化財に指定されています。この祭りは、毘沙門天が開帳される正月に、農民が早く参拝しようと押し合う中で裸になったことが始まりとされています。

岡山県の西大寺会陽は、室町時代に参拝者に守護札を授与していたことが始まりとされています。希望者が増えたため、群衆の頭上に牛玉（紙製の守護札）を投げ与えたところ、奪い合いになり、次第に裸になっていったとされています。

参加者

裸祭りの参加者は、基本的に男性が多いです。しかし、神奈川県川崎市の金山神社「かなまら祭」のように、女性も参加できる祭りもあります。愛知県稲沢市の国府宮はだか祭では、2024年から女性も上衣を着用した上で、男性とは時間を分けるなどの安全策を講じた上で参加できるようになりました。

全国の裸祭り（一部）

以下は、日本各地で開催されている裸祭りの一例です。

北海道地方

木古内町寒中みそぎ祭り（木古内町）
江差かもめ島まつり（江差町）
芦別健夏山笠（芦別市）
あかびら火まつり（赤平市）

東北地方

常盤八幡宮年縄奉納裸参り（藤崎町）
七日堂裸まいり（柳津町）
二井山裸参り（湯殿山神社、横手市）
黒石寺蘇民祭（黒石寺、奥州市）

関東地方

小高の裸参り（匝瑳市）
湯かけ祭り（長野原町）
和良比はだか祭り（和良比皇産霊神社、四街道市）
江ノ島天王祭（八坂神社《藤沢市》・小動神社《鎌倉市》）
大原はだか祭り（いすみ市）

中部地方

上野間の裸まいり（美浜町）
由比のお太鼓祭（静岡市清水区）
国府宮はだか祭（尾張大国霊神社、稲沢市）
曽々木寒中みそぎフェスティバル（輪島市）
浦佐毘沙門堂裸押合大祭（普光寺、南魚沼市）
見付天神裸祭（見付天神、磐田市）

近畿地方

どやどや（四天王寺、大阪市天王寺区）
法界寺裸踊り（法界寺、京都市伏見区）
西市辺裸まつり（法徳寺薬師堂、東近江市）
灘のけんか祭り（松原八幡神社、姫路市）
鞍馬の火祭（由岐神社、京都市左京区）

中国地方

松林寺子供会陽（岡山市南区）
金山寺会陽（岡山市北区）
西大寺会陽（岡山市東区）
防府天満宮御神幸祭（裸坊祭）（防府市）

四国地方

善通寺会陽（善通寺市）
松山秋祭りの一体走り

九州地方

玉せせり（筥崎宮、福岡市東区）
鬼夜（大善寺玉垂宮、久留米市）
脇之浦はだか祭り（北九州市若松区）
青島裸まいり（青島神社、宮崎市）
ケベス祭（岩倉社、国東市）
博多祇園山笠（福岡市博多区）

まとめ

裸祭りは、日本の伝統文化を色濃く残す貴重な行事です。地域によって様々な形態があり、それぞれに独自の歴史や意味合いが込められています。機会があれば、ぜひ一度訪れて、その熱気と神聖な雰囲気を体験してみてはいかがでしょうか。

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