やり込み

ゲームの「やり込み」とは

コンピュータゲームにおける「やり込み」とは、通常のクリア目的を超えて、特定の要素を徹底的に極める行為を指します。これは、単にゲームを終わらせるだけでなく、ゲームの可能性を最大限に引き出し、自身の限界に挑戦する、奥深いプレイスタイルです。公式に用意されたやり込み要素だけでなく、プレイヤー自身がルールを設け、独自の挑戦をすることもあります。

やり込みの種類

やり込みの種類は多岐に渡ります。以下に代表的な例を挙げます。

ハイスコアアタック

ゲームで可能な限り高い得点を出すことを目指します。期間や場所を限定して競われることもあります。また、スコアの上限に到達するまでの時間を競うこともあります。対戦型格闘ゲームでは、対人戦の連勝数を競うこともあります。

ノーミス

ゲームを一度もミスすることなくクリアすることを目指します。RPGでは、敵から一度も逃げずに戦い抜く、復活機能を使わない、ダメージを一切受けないといったプレイが含まれます。

コンプリート

ゲーム内の全てのアイテム、キャラクター、技能などを集め、限界まで数値を高めることを目指します。マルチエンディングのゲームでは、全てのエンディングを見ることも含まれます。また、隠し要素や実績を全て制覇することもコンプリートの一環です。キャラクターごとに能力が異なるゲームでは、全てのキャラクターでクリアすることを目指します。

敵全滅、ノーキル

ゲーム内に登場する全ての敵を倒してクリアする、または逆に、全ての敵を倒さずにクリアすることを目指します。

制限プレイ、縛りプレイ

プレイヤー自身に不利な条件を課してゲームをプレイします。特定のアイテムや技術、キャラクターの使用を禁止したり、レベルやステータスを低く保ったままクリアするなど、様々な制限が設けられます。最初から最後まで、武器や防具を装備しない、回復ポイントを使わない、特定の操作ボタンを使わないなど、ユニークな制限プレイも存在します。

RPGにおけるやり込み

RPGでは、キャラクター強化やコンプリートが主なやり込み要素となります。キャラクターを可能な限り仲間に加え、レベルを最高値まで上げたり、ステータスを限界まで高めるなどがあります。また、最大ダメージに挑戦したり、ストーリーを無視して、本来は倒せないボスを倒すなどの挑戦も行われます。

シーケンスブレイク

ゲームの進行順序を無視してクリアを目指すやり込みです。特定のアイテムを集め、操作を工夫することで、通常のルートとは異なる場所を探索したり、攻略順序を変化させることが可能です。この技術はタイムアタックにも応用されます。

タイムアタック、スピードラン

ゲームを可能な限り短い時間でクリアすることを目指します。タイムアタックは日本国内で、スピードランは海外で主に使われる言葉です。リアルタイムアタック（RTA）やツールアシステッドスピードラン（TAS）など、ルールに応じた派生ジャンルも存在します。

その他のやり込み

2人同時プレイ可能なゲームを1人で操作する、画面の一部を隠してプレイする、音楽ゲームで最低評価のみでクリアするなど、多種多様なやり込みが存在します。また、特定のコントローラーを使用したり、ステージエディット機能で他人が作成したステージをクリアすることもやり込みの一つとされています。中には、非常に難易度の高いゲームをクリアするだけでやり込みとして扱われるケースもあります。

やり込みの記録と共有

ゲーム雑誌が読者からのやり込みを募集し、特集記事として掲載したり、ビデオやDVDに収録して販売することがあります。攻略本でも、ライター自身がやり込みを紹介することがあります。また、やり込みプレイの動画が、インターネット上で広く共有されています。Speed Demos ArchiveやSpeedrun.comなどのサイトでは、世界中のプレイヤーがタイムアタック記録を競い合っています。

やり込みは、ゲームの新たな楽しみ方であり、ゲーマーの情熱と創造性を象徴する行為です。プレイヤーは、自身の限界に挑戦し、ゲームの可能性を追求することで、更なるゲームの奥深さを体験することができます。

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