ゆうちどり (掃海艇)

ゆうちどり（JDS Yuchidori）

ゆうちどり（MS-62、GP-445、ASM-71）は、日本の海上自衛隊に所属していた掃海艇です。その起源は大日本帝国海軍が建造した雑役船にまで遡ります。具体的には、300トン型の飛行機救難船「公称1536号」として1943年に竣工し、戦後には連合国軍の客船に改造されました。

歴史的背景

本艇は、旧日本海軍で飛行機の救難活動を行うために設計された船の一つであり、戦後は海上保安庁に引き渡され、掃海作業や指揮船として利用されました。特に朝鮮戦争時には、日本特別掃海隊の指揮船として重要な役割を果たしました。

その後、1952年には保安庁警備隊に移管され、掃海船「ゆうちどり」として再び任務に就きました。1954年7月には海上自衛隊が設置され、その際に掃海艇として再分類されました。続く1957年には新たに記号GP-445が付与され、その後、1961年には特務艇（ASM-71）に類別が変更されました。

改造と役割の変化

1961年に特務艇へと定義が変更された後、ゆうちどりは1964年の東京オリンピックに向けた改造を受け、迎賓艇としても機能するようになりました。この改造では艇体がアイボリーに塗装され、豪華な貴賓室や遊歩甲板などが設置され、来賓を迎えるための整備が施されました。

1978年には後継の駆潜艇「はやぶさ」に迎賓艇としての任務を引き継ぎ、ゆうちどりは除籍されました。除籍後、その調度品は「はやぶさ」の迎賓艇へと流用されています。

ゆうちどりの意義

ゆうちどりは、海上自衛隊において旧日本海軍の艦艇の中で最後まで現役を務めた船であり、その歴史は多くの変遷を経てきたことを示しています。また、日本の海上での一連の歴史的な出来事に深く関わっており、航空機救難から掃海、さらには迎賓艇としての役割まで、多様な使命を果たした艦艇として知られています。

今後も、ゆうちどりのような歴史的な艦艇が日本の海上防衛の象徴として語り継がれることは重要です。

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