ゆうゆうバス (熊本市)

ゆうゆうバスの概要

熊本市におけるコミュニティバス「ゆうゆうバス」は、2012年4月に運行を開始しました。このバスの導入は、熊本市が政令指定都市に移行したことに伴い、地域住民の移動を快適にするための重要な施策の一環でした。通称「区バス」としても知られていますが、2024年6月28日に運行を終了するまで、約11年の歴史を持ちました。過去には他の循環バスも存在し、「ゆうゆうバス」という愛称は一般公募の中から選ばれたものです。

区バスの目的と運行状況

「ゆうゆうバス」は、主に熊本市内の各区役所や出張所へのアクセスを提供することを目的に新設されました。運行ルートは北区、南区、西区、東区の各区に限られており、それぞれの区で地域住民の日常生活を支える役割を果たしていました。しかし、運行開始から数年の間に利用者が減少したため、多くの路線は短期間で運行を終了。2024年6月時点では、北区の「植木循環ルート」のみが残っていました。平日のみの運行で、土日や祝日は運行されない点が特徴的でした。

「ゆうゆうバス」の愛称は「ゆう」という文字に熊本の「熊」の意味が込められており、地域コミュニティに根付いてほしいという意図が含まれています。

沿革と運行の変化

「ゆうゆうバス」は、2012年の運行開始以来、いくつかのダイヤ改正を経て運行内容が変化しました。具体的には、2013年のダイヤ改正での曜日変更をはじめとして、2014年には一部運行ルートが見直され、多くの路線が廃止されました。2015年には運行内容が大幅に変更され、植木循環ルートでは便数の増加が見られましたが、全体的には利用状況が乗務員不足によって悪化し、最終的には路線の廃止に至りました。

特に、2024年の植木循環ルートの運行終了は、「ゆうゆうバス」の全ルートの消滅を意味しました。この結果として、代わりにAIを活用したデマンドタクシー「チョイソコくまもと植木」が新たな交通手段として導入されました。

運行会社と使用車両

「ゆうゆうバス」は熊本市と各バス事業者が共同で運営しており、熊本都市バスが全路線を担当しました。使用車両は、熊本市が購入した日野・ポンチョが多くの路線で利用され、特徴的なデザイン（白地に緑と黄緑のライン）が施されていました。基盤となるマークは、地域のシンボルともなる熊本の自然を表現しています。

過去の都心部循環バスとの連携

かつて運行されていた「都心部循環バス」は、2001年から2005年にかけて、熊本市内の交通の要を成していました。このバスもまた地域住民にとって重要な輸送手段であったが、経営状況の悪化や利用者の減少により終了となりました。「ゆうゆうバス」との類似点として、いずれも市民の移動をサポートする目的を持っていたことが挙げられます。

まとめ

「ゆうゆうバス」は、熊本市の生活交通を担う重要な存在であり、多くの市民に利用されてきましたが、時代の変化や乗客数の減少に伴い、その運行を終えました。運行終了後でも、地域住民の移動の足を常に考慮し、新たな交通手段の導入が進められています。今後も熊本市が持続可能な交通体系を築くための取り組みが求められています。

もう一度検索