ゆかいな海賊大冒険

ゆかいな海賊大冒険

『ゆかいな海賊大冒険』（ゆかいなかいぞくだいぼうけん、英: The Big Adventure of The Fantastic Pirates）は、日本のミュージカルで、千葉真一による演出が特徴的です。この作品は1982年から1984年にかけて上演され、特に新宿コマ劇場での公演が知られています。

背景と制作

本作は、1981年に千葉真一が手掛けた『スタントマン物語』に続く形で制作され、ジャパンアクションクラブ（JAC）のメンバーが主要なキャストを務めました。当初、千葉は深作欣二に演出を依頼していましたが、スケジュールの都合から実現せず、最終的に新宿コマ劇場からの要請で千葉が演出を担当することになりました。

1982年の初演では、新宿コマ劇場の新装開場を記念して、ダグ・ヘニングのニューアメリカンマジックショーと同時上演されました。この際、劇場からファミリー向けの内容を求められたため、ストーリーとイリュージョンの融合が課題となりました。千葉は、内容がうまくマッチしない中、フィナーレで30分間のイリュージョンを挿入するという独自の演出を進めました。この試行錯誤があったにもかかわらず、本作はその後も再演が続き、観客を魅了し続けました。

上演の歴史

このミュージカルは、1982年8月7日から9月12日まで新宿コマ劇場で初演されました。続いて、1983年3月25日から4月10日には梅田コマ劇場で再演。その後1984年3月24日から4月17日まで、再び新宿コマ劇場で上演されました。この3年間で、本作は毎回満員になる記録的な成功を収めました。

ストーリー

物語は、荒れ狂う海に姿を見せた海賊船から始まります。物語の中心となるダイダロス船長と彼の手下たちは、中でも稲妻と雷鳴が轟く中、楽しげに歌いながら船を進めていきます。船が陸に着くと、彼らは暴風の収まるのを待つ間に宴を楽しむことになります。だが、嵐が収まり、出航の準備をしている際に、船長のダイダロスは一番可愛がっている手下のイカロスに「ここに残れ」と告げます。この瞬間から、物語は多くの冒険、友情、裏切りが交錯していく展開へと進んでいきます。

キャスト

本作では、パンフレットに記載された順序に従いキャストが分かれ、1982年及び1983年ではAキャストのみで、1984年の公演ではAキャストとBキャストの2つが存在しました。

媒体と記録

このミュージカルには、LPレコード版が1982年にリリースされ、千葉真一や志穂美悦子、真田広之などが参加しました。また、1984年にはパンフレットも発行され、関連資料として今でも多くのファンに親しまれています。

各公演の成功により、JACミュージカルシリーズはその後も続くこととなり、日本のミュージカル界に新たな風を吹き込みました。

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