よこはま (消防艇・2代)

消防艇「よこはま」の概要

「よこはま」は、横浜市の消防局に配属された消防艇であり、その設計と設備は最新の技術を取り入れています。本艇は1981年2月に竣工した先代「よこはま」の後継として製造され、平成11年度に設立された消防艇建造検討委員会を経て、基本設計が行われました。

設計コンセプト

この消防艇は、コンテナ積載能力を考慮し、単胴構造の平甲板船型が選ばれています。船体の形状はV型で、使用されている素材は高張力鋼です。特に、放水塔などのために重心が高く、積載重量が長さに対して増加する設計を採用しており、船速よりも復原性能を優先しています。また、船内は陽圧構造となっており、6メートルの高さに防爆機能が設けられています。

最大で船員6名とその他8名の搭乗が可能ですが、短時間であれば最大40名まで対応できます。船内には、高規格救急車の機能を反映した活動支援室も完備されており、災害時の迅速な対応が可能です。

動力システム

「よこはま」は2基のV型12気筒ディーゼルエンジン（MTU/DDC 12V4000 M70、出力2,000馬力）を搭載し、4羽のスキュー付き可変ピッチ・プロペラを使用した2軸の推進方式を採用しています。さらに、バウスラスターも装備されており、操船の際は安定した船位を保つための自動操船システムを備えています。このシステムは、放水時の反動を考慮したフィードフォワード補償機能も搭載しています。

電源供給には、主発電機が80kVAのTWY-25Cを、スラスタ用には300kVAのTWY31B-4を使用しています。

消防設備

消防ポンプに関しては、毎分30,000リットルの吐出量を誇るポンプを2基装備し、様々な放水装置を取り揃えています。これには、最大85メートルの射程を持つ伸縮式放水塔や、上甲板船首部に設けられた放水砲が含まれています。また、消火活動に必要な泡原液は約12,500リットルを積載しています。

船尾甲板のスペースは7.2メートル×12メートルで、災害状況に応じて様々なコンテナを搭載できるよう設計されています。装備品には油回収装置や充気式オイルフェンスなどが含まれ、作業に適した多目的クレーンも装備されています。

情報収集と安全機能

運用面での強化が求められる中、情報収集と伝達を向上させるために、カラーCCDおよび冷却式赤外線センサーを搭載した監視カメラシステムが導入されました。さらに、ヘリコプタ映像受信システムや作戦室も設置され、全体的な運用能力が向上しています。

また、可燃性ガスや有毒ガスを検出するガス検知装置も装備されており、より安全な操業が実現されています。

まとめ

「よこはま」は、高度な技術と装備を兼ね備えた消防艇で、多様な災害に対応するための強力なツールとして活躍しています。消防士たちの安全と効果的な消火活動を支える存在であり、地域社会に貢献する重要な役割を担っています。

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