よしだたくろう オン・ステージ ともだち

吉田拓郎のライブアルバム『よしだたくろう オン・ステージ ともだち』

1971年6月7日にリリースされたアルバム『よしだたくろう オン・ステージ ともだち』は、日本を代表するフォークシンガー吉田拓郎によるライブ音源を集めた作品です。収録されている具体的な場所や日時は示されていませんが、1971年3月に東京厚生年金会館で行われたコンサートの模様を録音したものだと考えられています。

アルバムの背景と特徴

本作は、拓郎のコンサートにおける軽妙なトーク（MC）を大切に逃さず収録することに重点を置いて、レコード会社のエレックが投入したライブ盤です。アルバムには自作の曲が多く収められていますが、特に印象的なのは斉藤哲夫の「されど私の人生」を取り入れている点です。拓郎自身がこの曲に歌いたいという希望を持ち、収録が実現しました。

また、アルバムの中では曲の合間にMCがたっぷりと盛り込まれており、当時のフォークシンガーたちによく見られたスタイルが感じられます。この形式がライブアルバムとしてしっかりと形作られていることは珍しく、拓郎の特徴的な口調や言い回しは当時の若者の間で流行しました。特に「○○でアリマス」といったフレーズは多くのファンに親しまれたことがあり、学園祭などではそのMCや歌が丸ごとコピーされるほどの人気がありました。

当時のコンサートの雰囲気や進行の様子を知ることができる貴重な作品であり、拓郎特有の若い感性が詰まったアルバムでもあります。そんな彼のライブスタイルは、歳月が経った今でも多くの支持を受けています。

新曲と収録内容

本アルバムでは、吉田拓郎がライブで初披露した新曲が6曲収録されています。それらは以下の通りです：

• - おろかなるひとり言
• - もう寝ます
• - 私は狂っている
• - 何もないのです
• - 夏休み
• - ともだち

また、他にも多くの楽曲が収められており、その中には彼のファーストシングルである「イメージの詩」のB面曲「マーク II」や、アルバム『青春の詩』に収録されている「やせっぽちのブルース」なども含まれています。

さらに、斉藤哲夫の曲のカバーや、レイ・チャールズの「わっちゃいせい」なども収録され、曲のバリエーションが豊かです。このように、拓郎は自作曲だけでなく他のアーティストの楽曲も取り入れ、自らの表現を広げていく工夫を重ねていました。

演奏者

このアルバムでは、以下の演奏者たちがサポートをしています：

• - 井口よしのり（ベース、コーラス）
• - 田辺かずひろ（リードギター、コーラス）
• - よしだたくろう（ボーカル、ハーモニカ、ギター）

結論

『よしだたくろう オン・ステージ ともだち』は、単なる音楽作品にとどまらず、当時の日本のフォークシーンの文化や若者たちの心情を色濃く反映した貴重な記録です。拓郎の魅力や彼の音楽が持つ力を感じることができる名盤として、現代のリスナーにもぜひ聴いてほしい一枚です。

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