らじかるぼんばー!! 地雷くん

『らじかるぼんばー!! 地雷くん』

1988年7月29日にジャレコより、ファミリーコンピュータ ディスクシステム対応ソフトとしてリリースされた『らじかるぼんばー!! 地雷くん』は、多人数でのプレイに特化したユニークなボードゲームです。単なるすごろくではなく、プレイヤー間の駆け引きが重要な鬼ごっこ形式のゲームシステムを採用しています。

ゲームの基本システム

このゲームは、最大5人まで同時に遊ぶことが可能です。プレイヤーは「ランナウェイ」と呼ばれる逃走者（1名）と、「チェイサー」と呼ばれる追跡者（最大4名）の二手に分かれます。ゲームはターン制で進行し、各プレイヤーは順番にマップ上を移動しながら、それぞれの勝利条件達成を目指します。

勝利条件はシンプルです。チェイサー側のプレイヤーは、ゲーム開始時に設定された一定のターンが経過する前に、ランナウェイを捕まえることができれば勝利となります。対するランナウェイは、チェイサーの追跡をかわし、規定ターン数を逃げ切ることができれば勝利となります。プレイヤー間の陣営は固定されているため、それぞれが異なる目的を持って盤上を動き回ることになります。

特徴的な要素

本作には、ゲームを盛り上げるいくつかの特徴的な要素が盛り込まれています。

マップ作成モード: プレイヤー自身がゲームの舞台となるマップを自由にデザインできるモードが搭載されています。これにより、毎回異なるシチュエーションでの鬼ごっこを楽しむことができ、リプレイ性を高めています。
ユニークなオープニング: ゲームを開始すると、なぜか漫才形式のオープニングが流れるという、当時のゲームとしては非常に珍しい演出が採用されています。これは本作の持つ独特な世界観の一端を示しています。
* 警備ロボット「地雷くん」: マップ上には「地雷くん」と呼ばれる警備ロボットが登場します。このロボットはランダムにマップ上を動き回ります。もしランナウェイまたはチェイサーのいずれかのプレイヤーが地雷くんに接触してしまうと、地雷くんは爆発し、接触したプレイヤーは次のターンに一切行動ができなくなってしまいます。地雷くんの存在は、プレイヤーの移動ルートに予期せぬ影響を与え、ゲーム展開に偶発的な要素をもたらします。

ゲーム中の音楽は、作曲家の多和田吏氏が担当しています。ゲームの独特な雰囲気に合わせた楽曲が、プレイを彩ります。

後続作品への影響と評価

本作に登場するキャラクターである「地雷くん」は、後のジャレコ作品にもゲスト出演しています。具体的には、1990年発売のゲームボーイ用ソフト『ヒーロー集合!! ピンボールパーティ』や、1993年発売のスーパーファミコン用ソフト『スーパー3Dベースボール』といった、本作とはジャンルの異なるタイトルにも登場し、ジャレコのシリーズを跨いだキャラクター展開の一環として見られます。

ゲーム雑誌『ファミコン通信』のクロスレビューでは、40点満点中25点という評価を得ています。これは当時のディスクシステム向けタイトルとしては一般的な評価と言えるでしょう。

『らじかるぼんばー!! 地雷くん』は、多人数プレイでのボードゲームと鬼ごっこを組み合わせた、当時のファミコンゲームの中でも個性的な作品でした。独特なルールやキャラクター、そしてマップ作成機能といった要素は、友人や家族と集まって遊ぶ際に盛り上がるゲームとして、一定の存在感を示しました。

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