らぶきょん LOVE in 景福宮

らぶきょん LOVE in 景福宮

『らぶきょん LOVE in 景福宮』は、韓国の漫画家パク・ソヒによって生み出されたヒット作です。原題は『궁』と表記され、韓国語で「クン」と読み、宮殿や宮廷を意味する言葉です。本作は、もし大韓帝国が歴史上の出来事を経ずに立憲君主制国家として現代まで続いていたら、というユニークな架空設定に基づいています。

作品の誕生と展開

原作者パク・ソヒは、高校生の頃に韓国の首露王陵を訪れた際の感動から着想を得て、この物語の原型をノートに描き起こしたと言われています。その後、ソウル文化社発行の漫画雑誌『Wink』にて、2002年から2011年まで長期にわたって連載され、全27巻の単行本が発売されました。本編に加え、複数の外伝も描かれています。

この漫画は韓国国内だけでなく、アメリカ、イタリア、台湾、日本、フランス、香港など、多くの国や地域で翻訳版が出版され、世界中の読者を魅了しました。その人気は漫画に留まらず、2006年にはテレビドラマ化、2010年にはミュージカル化も実現し、メディアミックスの成功例としても知られています。

物語の舞台とあらすじ

物語の舞台は、立憲君主制の現代韓国。ごく平凡な女子高校生が、ある日突然、国の最高位である皇太子の妃候補に選ばれ、皇室へと嫁ぐことになります。慣れない宮廷生活に戸惑いながらも、皇太子や王室の人々と関わる中で成長し、皇太子との間に芽生える複雑で甘い関係、そして様々な困難に立ち向かう姿が描かれます。

テレビドラマ版『宮～Love in Palace』

2006年に韓国の放送局MBCによって、原作漫画と同じく『궁』（宮）のタイトルでテレビドラマ化されました。日本では『宮～Love in Palace』として放送され、大きな反響を呼びました。主人公のシン・チェギョン役にはユン・ウネが、相手役の皇太子イ・シン役にはチュ・ジフンがキャスティングされました。二人にとって本作が本格的な俳優デビュー作となりました。

ドラマは2006年1月11日から3月30日まで全24回にわたって放送され、最高視聴率は約27パーセントを記録するなど高い人気を得ました。イン・ウナが脚本を手掛け、ファン・インレが演出を担当しました。また、第1回ソウルドラマアワードではTVドラマ美術監督賞を受賞するなど、映像面でも評価されました。後に同様のコンセプトを持つスピンオフドラマ『宮S』が制作されたことから、『宮～Love in Palace』は「宮シリーズ」の第1作と位置づけられています。

日本でも、2006年7月にCS放送のMnetで先行放送された後、同年11月からはテレビ東京系で地上波放送が行われました。その後、DVDやブルーレイディスクが発売され、ディレクターズ・カット版もリリースされるなど、繰り返し視聴され続けています。

ミュージカル版『ミュージカル・宮』

2010年には『ミュージカル・宮』として舞台化され、韓国で初演されました。このミュージカルは日本でも上演されており、京都や東京で公演が行われました。初演時の皇太子イ・シン役を人気グループ東方神起のチョン・ユンホが務めるなど、注目を集めました。日本公演ではSS501のキム・キュジョンやSUPER JUNIORのカンインなど、様々な人気アイドルや俳優が主要キャストを務めています。

また、本作のサウンドトラックも人気を博しており、韓国ではドラマ放送年に2種類のOSTが発売されたほか、日本でもサウンドトラックCDが発売されています。

『らぶきょん LOVE in 景福宮』は、漫画、ドラマ、ミュージカルといった多様なメディアを通じて、多くの人々に愛され続けている作品です。

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