りぽぐら!

『りぽぐら！』は、西尾維新が講談社ノベルスから刊行している小説作品です。本書の最大の特徴は、リポグラム（特定の文字や語を使わない制約）という特殊なルールを各短編に適用している点です。イラストは、伊藤潤二、久米田康治、雲田はるこ、倉花千夏、重野なおき、たえ、田中相、凡地陽子、中村明日美子、PEACH-PIT、pomodorosa、真島ヒロ、松本一佐、ミノ✩タロー、吉田ヨシツギといった豪華な15名のイラストレーターが担当しています。

この作品は、Lev.1『妹は人殺し!』、Lev.2『ギャンブル「札束崩し」』、Lev.3『倫理社会』の3つのレベルに分かれ、各レベルで異なるリポグラムのルールが設定されています。

各レベルのルール

Lev.1:
まず、制限なしで短編小説を執筆します。
次に、五十音から任意の6文字を選択します。
残りの40文字をくじ引きで10文字ずつ4つのグループに分けます。
各グループの10文字を使用せずに、最初の短編小説を4パターン書き分けます。
濁音、半濁音、拗音、促音は基本の音と同じ扱いとし、音引きはその際の母音とします。
最初に選んだ6文字は、どのパターンでも使用可能です。
Lev.2:
まず、制限なしで短編小説を執筆します。
次に、五十音からくじ引きで10文字ずつ4つのグループを準備します。
残りの6文字がフリーワードとなります。
各グループの10文字を使用せずに、最初の短編小説を4パターン書き分けます。
濁音、半濁音、拗音、促音は基本の音と同じ扱いとし、音引きはその際の母音とします。
フリーワードの6文字は、どのパターンでも使用可能です。
Lev.3:
まず、制限なしで短編小説を執筆します。
次に、五十音からくじ引きで10文字ずつ4つのグループを準備します。
残りの6文字が厳禁ワードとなり、どのパターンでも使用できません。
各グループの10文字と厳禁ワードの6文字、計16文字を使用せずに、最初の短編小説を4パターン書き分けます。
濁音、半濁音、拗音、促音は基本の音と同じ扱いとし、音引きはその際の母音とします。

あらすじ

Lev.1『妹は人殺し!』
ある朝、主人公は妹が誰かを殺したと直感します。妹の癖からベッドの下を調べると、クラスメイトらしき少女の死体がありました。夜になり、主人公は妹と共に死体を山に運び、その場で妹を殺害し、二人の死体を埋めます。翌日、主人公が妹を殺したと直感した母親は、食事に毒を盛ります。父親は主人公の死体を発見後、母親を殺すのでしょうか。主人公は意識を失いながら、そんなことを考えます。
Lev.2『ギャンブル「札束崩し」』
多額の借金を抱えた主人公は、裏社会の賭け事に巻き込まれます。同じく借金まみれの男と、札束を使った将棋崩しで勝負することになりました。集めた札束の金額が多い方が勝ちというルールで、勝者はその金が賞金となります。辛くも勝利した主人公は、相手が真剣だったと感じ、賞金で借金を完済した後、残りを相手に渡すように運営に提案します。
Lev.3『倫理社会』
監視カメラがあらゆる場所に設置され、人々の行動が記録される世界。行動によって「倫理ポイント」が与えられ、ポイントは貨幣の役割も果たします。ポイントが減るのは素行が悪い時のみで、良い行いをしていれば最低限の生活は保証されています。ある日、主人公はビルの間で怠けている人を見つけます。そこは監視カメラの死角になっているようです。主人公は先客を殺し、その場所を占拠しました。社会から外れても、そこに真の自由があると考えます。

関連情報

リポグラム
残像に口紅を
煙滅

外部リンク

* 講談社ノベルス　りぽぐら!

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