るいそう

るいそうについて

概要

「るいそう」とは脂肪組織が病的に減少した状況を指します。この状態は一般的にやせと表現されますが、特にその減少の程度が著しい場合に「るいそう」という用語が使われます。これは「羸痩」とも表記され、時には「るいそう症」としても知られています。肥満症（肥満）とは対極に位置する概念で、健康上のリスクが伴います。

定義と診断

るいそうは、身体の栄養状態や健康状態を示す指標の一つとして重要です。通常、脂肪組織が減少すると、筋肉などの非脂肪組織も減少しますが、特異的に脂肪のみが減少するリポジストロフィーなどの例外もあります。また、体重が急激に減少したり、慢性的に減少したりすると、るいそうにつながる可能性があります。特に小児期においては、体重の減少がなくても体重の増加が不良であれば、るいそうに至ることが考えられます。

るいそうの診断においては、体重と身長の比を示すボディマス指数（BMI）がよく利用されます。一般的には、BMIが20未満であったり、標準体重から20%以上の減少が見られる場合が病的とみなされます。しかし、病的なやせについては個人差が大きく、明確な基準を設けることは難しいのが現状です。特に、体質的な要因によってやせている人も少なくないため、注意が必要です。

原因

るいそうの原因は多岐にわたりますが、主にエネルギーの摂取と消費の不均衡が影響しています。摂取量が減少することや、消費量が増加することが主な原因です。例えば、食欲の低下がるいそうに繋がることが多く、これは精神的な疾患（うつ病や統合失調症など）や身体的な病気（口腔疾患、消化器疾患）によって引き起こされることがあります。

消化・吸収の障害も原因とされ、胃切除後や腸の炎症がある場合などには栄養の吸収が上手くいかないことがあります。栄養素の利用障害としては、1型糖尿病などが関連しており、体重が急激に減少することがあります。

また、慢性の感染症や悪性腫瘍などは代謝を亢進し、それが体重減少に繋がることがあります。特に悪性腫瘍の患者では、悪液質と呼ばれる状態による体重減少が見られます。

小児と高齢者

小児や高齢者においては、特に栄養失調や虐待などがるいそうを引き起こすリスクがあります。特に小児においては、発達障害の背景にある場合が多く、早期の対応が必要です。過剰な運動も原因となり得るため、注意が必要です。

ヒト以外の動物

るいそうの概念はヒト以外の動物にも適用されることが一般的です。獣医学分野では「削痩」という用語が好まれることがあります。獣医学においても、体重の減少が問題視されることが多く、標準体重からの減少が20%に達すると飼い主にとっても深刻な事態と考えられています。

結論

健康を保つためには、るいそうの早期発見と治療が重要です。慢性的な体重減少や栄養状態の悪化は、深刻な健康問題の前兆であることが多いため、定期的な健康診断や適切な栄養管理が求められます。

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