『れすきゅーME!』は、巻田佳春による日本の
漫画作品で、『
チャンピオンRED いちご』(
秋田書店)にて連載されました。この作品は、いわゆる学園ラブコメ、
ハーレムものに分類されますが、その構造は一般的なラブコメ作品とは大きく異なっています。主人公の水谷正行は至って常識的な高校生である一方、彼を取り巻くヒロインたちは皆、妄想癖があり、常識外れの言動を繰り返します。
物語は、両親が海外出張中の水谷正行の家に、同級生の清水さやかが「家政婦」として突然押しかけてくることから始まります。さやかは自らを「住み込みの家政婦、いや妻」と称し、正行の家に住み着いてしまいます。さらに、正行を「お兄ちゃん」と慕う年下の叔母・篁結花、結花に恋する「ヤンデレ」少女・高木麻衣、そして正行とさやかの関係に妄想を膨らませる後輩・小園杏奈など、個性的なヒロインたちが次々と登場し、正行は彼女たちの妄想に振り回される日々を送ることになります。
主人公の水谷正行は、ごく普通の高校生で、両親が海外出張中のため一人暮らしをしています。彼は極めて常識的な人物であり、妄想に走りがちなヒロインたちに振り回される毎日に苦労が絶えません。
清水さやかは、正行の同級生で、美人で有能な優等生ですが、その思考は常識から大きく逸脱しており、妄想に基づいた奇妙な言動を繰り返します。霊能力を持っているらしく、魔法のようなものを使うこともあります。
篁結花は、正行の母の歳の離れた妹で、正行の叔母にあたりますが、一つ年下の中学生です。正行のことを「お兄ちゃん」と慕い、さやかにライバル心を燃やして、正行を巡って度々暴走します。
高木麻衣は、結花と同じ中学生で、同性に恋する百合娘です。日々結花に一方的な愛情を注ぎ、ストーカーまがいの行為を繰り返しますが、結花に関することになると、正行に対して態度が豹変します。
小園杏奈は、正行の後輩で、美化委員会のメンバーです。さやかたちの過激な妄想と言動に全く動じず、自分も一緒になって妄想を膨らませます。大人しい性格ですが、時折見せる計算高さと腹黒さは、さやか以上かもしれません。
その他、正行の同級生である松下は、美少女に囲まれた正行を羨ましがり、周囲に誤解と妄想を広げる役割を担っています。
この作品は、ナンセンスギャグに分類される過激な描写が多いものの、成年指定作品ではありません。連載開始前の予告では、「そんなコンナで。(仮)」という名前で紹介されていました。
『れすきゅーME!』は、全4巻の単行本として刊行されており、ドラマCDやOVAも制作されています。ドラマCDは『チャンピオンREDいちごVOL.29』の付録として製作され、OVAはコミックス第3巻のオリジナルアニメBlu-ray付き予約限定版として発売されました。
書誌情報
巻田佳春 『れすきゅーME!』 秋田書店『チャンピオンRED いちご』 2008年VOL.9 ~ 2014年VOL.45、〈チャンピオンREDコミックス〉、全4巻
2010年3月19日発売、
ISBN 978-4-2532-3443-6
2011年11月18日発売、ISBN 978-4-2532-3444-3
2013年6月20日発売、通常版:
ISBN 978-4-2532-3445-0 / オリジナルアニメBlu-ray付予約限定版:
ISBN 978-4-2531-8182-2
2014年10月20日発売、ISBN 978-4-2532-3446-7
ドラマCD
チャンピオンREDいちごVOL.29(2011年
12月5日発売)の付録
「清水さん、服を着て!」
「結花ちゃんも服を着て!」
「クリスマスに草むらで三つ巴?」
「三番目の小園さん」
「温泉LOVEで、れすきゅーME!」
OVA
コミックス第3巻オリジナルアニメBlu-ray付き予約限定版(
2013年6月20日発売)
* 本編27分、画面サイズ16:9
この作品は、独特な設定とキャラクター、そして過激なギャグ描写が魅力であり、一般的なラブコメとは一線を画す、異色の作品と言えるでしょう。