わかば (たばこ)

わかばとは

「わかば」は、日本の主要たばこメーカーである日本たばこ産業（JT）が手掛ける、歴史あるたばこの銘柄の一つです。この銘柄は、かつて税制上の優遇措置が適用されていた「旧3級品」と呼ばれるカテゴリーに属しており、長年にわたり多くの喫煙者に親しまれてきました。

製品の特徴とかつての姿

わかばのパッケージは、ソフトパック仕様が特徴的で、鮮やかな黄色を基調に、若草色を思わせるストライプや、希望を象徴する双葉の模様が配されています。かつて、全国で販売されていた旧3級品の中で、わかばは唯一80mmのロングサイズを採用していました。

製造元であるJTのフィルター付き紙巻きたばこ製品の中で、わかばはロングピース（21mg）に次いでタール含有量が多い銘柄としても知られています。

市場での立ち位置と税制の影響

発売当初はともかく、1980年代以降のわかばは、市場において比較的影の薄い存在となっていました。しかし、近年相次いだたばこ税の増税とそれに伴う価格改定の中で、他の銘柄と比較して安価であるわかば（そして旧3級品仲間であったエコーなど）が、フィルター付きであることも手伝って消費者の間で再び注目されるようになります。

価格の優位性から需要が増加し、かつてはたばこ自動販売機での購入が主だったものが、コンビニエンスストアやスーパーマーケットといった小売店でも頻繁に見かけられる銘柄へと変わりました。その人気は販売実績にも表れ、平成24年度（2012年度）の下半期には、国内販売銘柄の中で第10位にランクインするという記録を残しています。

旧3級品税制の見直しと終売

わかばを含む旧3級品に適用されてきたたばこ税の軽減措置は、2016年4月以降、段階的に見直され、最終的に廃止されることとなりました。これに伴い、わかばの価格も上昇します。2016年4月1日には1箱290円に値上げされ、その後も2017年4月1日に320円、2018年4月1日には360円と、段階的に価格が引き上げられていきました。

そして2019年10月、JTは紙巻きたばことしての「わかば」の販売を終了しました。これは、同じく旧3級品であった「echo」や「ゴールデンバット」といった銘柄と同時期の出来事でした。

リトルシガーとしての展開と紙巻たばこでの復活

紙巻きたばことしての歴史に一旦幕を下ろしたわかばでしたが、そのブランド自体は途絶えませんでした。2019年9月中旬からは、リトルシガー製品である「わかば・シガー」として新たに市場に投入され、ブランドが引き継がれる形となりました。

さらに時を経て、2024年8月19日には、わかばは再び紙巻きたばこの製品としてリニューアルの上、販売が開始されました。新たな製品名は「わかば・KS」となり、かつての80mmロングサイズから、85mmのキングサイズへと巻長が変更されています。

わかばは、その誕生から現在に至るまで、税制の変化や市場の動向に応じてその姿を変えながらも、多くの愛煙家に記憶され、そして新たな形で受け入れられ続けている銘柄と言えるでしょう。

もう一度検索