わせだの弁当屋

わせだの弁当屋：早稲田大学の学生に愛される伝説の弁当店

「わせだの弁当屋」は、東京都新宿区、早稲田駅から徒歩3分の場所にある弁当店です。早稲田大学の学生を中心に、そのボリュームと低価格、そして深夜まで営業していることから絶大な人気を誇ります。開店直後から行列ができることも珍しくなく、客の9割がリピーターというから驚きです。

早稲田三大油田の一角

早稲田大学周辺には、特に脂っこい食事を提供する飲食店がいくつか存在し、それらは俗に「早稲田三大油田」と呼ばれています。「わせだの弁当屋」も、キッチンオトボケ、キッチン南海と共に、その一角に数えられています。この「早稲田三大油田」という言葉の初出は1998年4月の『早稲田乞食』という雑誌であるという調査結果もあります。

フランチャイズから独自の弁当店へ

元々はフランチャイズのチェーン弁当店でしたが、独自の品揃えを充実させていった結果、フランチャイズから独立したと言われています。現在の店主である西坂達夫さんは、創業者ではなく、もともとデリバリー店を経営していましたが、先代から引き継ぐ形で店長に就任しました。西坂さんは、チェーン店だった頃について「当時のことは知らない」としつつも、「オリジナルメニューが次第に増えちゃったんで、（チェーンを）抜けることになったと聞いたことがある」と語っています。

豊富なメニューと自由なトッピング

100種類を超える豊富なメニューのうち、9割には揚げ物が含まれています。また、作り置きはせず、注文を受けてから調理するのが特徴です。

この店の大きな魅力は、トッピングの自由度が高いことです。「増し」「増し増し」を注文することで、唐揚げを追加できます。また、客からの要望に応えるうちに、メニューの種類も増えていきました。例えば、茄子シュウマイ弁当と茄子ギョウザ弁当の組み合わせが人気を博し、後に正規メニューとして採用されました。のり弁を注文する際に「前抜き」を指定すると、お新香ときんぴらごぼうが唐揚げ1個に変わるという裏メニューも存在します。これは、早稲田大学の学生が考案したもので、「前の方を抜いてくれ」という注文がそのまま名前の由来になったそうです。

人気メニューは「茄子カラ弁当」

数あるメニューの中でも、「茄子カラ弁当」「シューカラ弁当」「ギョーカラ弁当」が特に人気です。中でも一番人気は「茄子カラ弁当」で、注文の4割から5割を占めます。鶏の唐揚げ3個と揚げ茄子、柴漬けで構成されており、唐揚げには13種類の味付けが施されているとのことです。早稲田学報は、この唐揚げの味わいを「オイリーだが、見た目より衣は軽く、にんにくの香りがほのかにきいたスナック的な味わい」と評しています。「ギョーカラ弁当」は、ご飯の上にキャベツとお新香を敷き、その上から揚げ餃子4個と唐揚げ3個を乗せたボリューム満点の一品です。

「わせだの弁当屋」は、単なる弁当店ではなく、早稲田大学の学生生活に深く根ざした、まさにソウルフードと言えるでしょう。

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