わたしの狼さん。

『私の狼さん。』

『私の狼さん。』（わたしのおおかみさん）は、日本の漫画家藤原ここあによる作品であり、2000年9月から2001年まで『月刊ガンガンWING』（スクウェア・エニックス）に連載されていました。本作は、その後の続編である『私の狼さん。THE OTHER SIDE OF LYCANTHROPE』や『dear』への架け橋ともなっています。

あらすじ

この物語の舞台は、人間、魔物、勇者、魔王が共存する世界です。多くの勇者たちが魔王を討つために立ち向かう中、一人の勇者である小桃（レベル0）は、日々魔王城に乗り込むものの、逆に魔王昴（レベル2000）の愛情を受けることになります。昴は小桃に完全に恋をしており、彼女に求婚を繰り返します。そして、最終的には魔王の地位を捨てて小桃と共に旅をすることを決意します。この奇妙な旅の裏にあるのは、彼の悲しみと深い愛情です。

登場人物

小桃（サクライ）

本作の主人公でありヒロインです。彼女は勇者としての力はないものの、困っている人たちを助けるため、日々困難な依頼をこなしながらお金をためています。見た目は幼女体型で、銀髪を持つ神秘的な雰囲気がありながらも、内面は勝気で、困っている人を見捨てられない性格です。

昴（ハーネスト）

魔王であり、もう一人の主人公です。リーダーシップを持つ彼は、屈指の強さを誇るキャラクターで、物語の中で何を考えているのかわかりにくい存在です。小桃を心から愛し、実際には彼女を守るために魔王の地位を放棄することに決めました。

梅

昴の使い魔の役割を果たし、外見は子犬のように愛らしい存在です。謎めいた行動をしばしば見せる彼女は、物語を盛り上げる重要なキャラクターです。

紅（アカツキ）

魔王軍の幹部で、真面目かつ冷静なキャラクターですが、時折、昴の行動に頭を抱える場面も。彼は接近戦が得意で、信頼できる仲間としての一面を持っています。

キャロル（ブルーハース）

紅と同じく魔王幹部の一人であり、呪符を駆使した攻撃や支援が得意です。彼女は小桃と早くから打ち解け、物語に軽快な息吹を加えます。

物語の展開

第1話

貧乏でレベル0の勇者・小桃は、何度も魔王昴に立ち向かうものの、彼のベタ惚れに困惑します。この間に一部の幹部が昴に反逆し、兵器タイタンを投入するものの、昴の魔狼（ライカンスロープ）の力でそれを退けます。その結果、昴は魔王を辞め、小桃と一緒に旅をすると宣言します。

第2話

昴は小桃の旅に無理やり同行し、賑やかな冒険が始まります。最初の町では、魔物に怯える住人たちの問題に直面し、小桃が勇者として立ち向かおうとしますが、彼女の計画は失敗します。昴の一撃で事件は解決しますが、小桃はその結果に納得がいかず、気持ちを抱えたまま逃げ出してしまいます。この出来事を通じて、二人の距離が徐々に縮まり、物語に新たな変化をもたらします。

このように『私の狼さん。』は、愛情と優しさ、冒険が織り成すストーリーであり、深い人間ドラマが描かれています。

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