わな (キャンディーズの曲)

シングル「わな」の魅力

キャンディーズが1977年12月5日にリリースしたシングル「わな」は、彼女たちの16枚目の作品であり、多くのファンに愛され続けている名曲です。このシングルのジャケット写真は、有名な写真家・篠山紀信によって撮影されたもので、その美しいビジュアルが楽曲の魅力を引き立てています。

この楽曲は、キャンディーズのシングルA面で唯一、ミキをメインボーカルに据えて歌唱された特別な曲です。それまでの楽曲では、通常センターはランが務め、スーは彼女の横に位置していましたが、「わな」ではミキが中心に立ち、新たな表現を見せました。ジャケットデザインでは従来通りランが中央に配置されているのが興味深い点です。

「わな」は、キャンディーズの活動の中でも特に重要な一曲として位置づけられています。解散コンサートの時点での累計シングル売上は67万枚に達し、これは「微笑がえし」に次いで2番目の売上を誇ります。この時期、キャンディーズは多くのヒットを生み出しており、彼女たちの音楽が日本のポップシーンにおいて重要な役割を果たしていました。

1978年1月から放映が開始された人気音楽番組「ザ・ベストテン」でも注目を浴び、同年の初回放送（1月19日）において「わな」は第2位に初登場しました。この放送時の第1位はピンク・レディーの「UFO」であり、当時の音楽シーンの競争を物語っています。キャンディーズのシングルは、視聴者の心を捉え、楽曲の魅力を広げる一助となりました。

作曲・編曲を手掛けた穂口雄右は、既に「夏が来た!」でキャンディーズから離れていた時期に本作に復帰しました。彼は歌詞を確認しただけでわずか30秒で曲のイメージを完成させたといいます。この時期、穂口は多くの著名なアーティストと仕事をし、彼自身も多忙を極めていました。しかし、レコーディングのスケジュールが合わず、林立夫（ドラム）、松原正樹（ギター）、斎藤ノブ（パーカッション）の3人は運良く1日のスケジュールが一致しました。この3人に新進気鋭のベーシストが加わり、レコーディングが行われましたが、林の到着が遅れたため、ドラムレスでの録音が実施され、後にドラムのみが録音されるという特殊な状況が生まれました。ドラムの録音は厳しい条件でしたが、林は見事に1テイクでOKを出したことが知られています。

収録曲には「わな」と「100％ピュア・レディ」があり、両曲ともに作詞は島武実、作曲・編曲は穂口雄右が担当しています。また、「わな」は1979年にクリスタル・スリーによってカバーされ、LP『キャンディーズ・ディスコ・ヒート』で新たな形で再解釈されています。特に「わな」は、キャンディーズファンにとって永遠の名曲として、今でも多くの人々に愛され続けています。

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