アイアンマッスル

アイアンマッスル

『アイアンマッスル』は、永井豪とダイナミックプロが手掛けた巨大ロボット漫画。1983年に講談社の週刊少年マガジンで連載されました。プロレスラーのように鍛え上げられた「グラップラー」が、自らの動きをトレースする人型ロボット「グラップルマシン」に乗り込み、そのロボット同士が戦うという、近未来格闘技「ハイパーグラップル」の世界を描いています。

あらすじ

物語の主人公は、鋼光一。彼は、父を倒した宿敵、チャンピオン・オーディンとの対戦権を得るため、「太平洋トーナメントシップ」に参加し、世界各国の強豪たちと激闘を繰り広げます。光一は、厳しい訓練を乗り越え、グラップラーとして成長していく中で、様々なドラマや試練に立ち向かっていきます。

主な登場人物

鋼光一（はがね こういち）: 主人公。父の仇であるオーディンを倒すことを目指し、グラップラーとして成長していく。デビュー戦でザ・サタンを破り、太平洋トーナメントシップへ。
鋼勇次郎（はがね ゆうじろう）: 光一の父。かつてオーディンに敗れ、瀕死の重傷を負う。その後、サイボーグとして蘇生し、アイアンマッスルの開発に携わる。実は事故死しており、サイボーグではなくアンドロイド。
炎桜子（ほのお さくらこ）: 太平洋トーナメントシップに参加する女性グラップラー。光一と出会い、共に戦うことになる。
デビッド・エルマン: ザ・ルシフェル（ザ・サタンの偽装形態）に搭乗するグラップラー。オーディーンの弟子で、冷酷な試合運びで知られる。光一に激しい敵意を抱く。
ウィルヘルム・オーディーン: 58戦無敗を誇る世界チャンピオン。光一にとって、父の仇であり、超えるべき目標でもある。

主なグラップルマシン

アイアンマッスル: 光一のために開発されたマシン。キングアイアンをベースに、成長する「鋼の筋肉」で覆われている。2段変形機能を持つ。
キングアイアン: 勇次郎のために開発されたマシン。アイアンマッスルのプロトタイプ。オーディンとの対戦で破壊された。
ファイアービューナス: 桜子のために開発された女性型マシン。太平洋トーナメントシップで破壊される。
ザ・サタン: オーディンと同時に造られた兄弟機。強すぎる力ゆえに悲劇的な道を辿る。「悪魔のマシン」として恐れられるが、デビッド・エルマンによって真の力を発揮する。精神に作用する機能も備えている。
ザ・ルシフェル: ザ・サタンに外装を追加した偽装形態。
ゴッドゴーレム: ザ・サタンのグラップラー、エルマンの親友が使用する巨大マシン。軍事用として開発されており、ミサイルなどを内蔵した殺傷兵器。
エイリアン・ゾバダ: 太平洋トーナメントシップに参加する異形のグラップルマシン。口部から二重あごが飛び出す。
スコーピオン・バドー: 頭部がサソリ型のマシン。相手マシンの首を切断する。
マンモスマシン・ドノバ: マンモス型の超大型グラップルマシン。
ジェットタイガーオルゴン: 腕部からジェット噴射を行うマシン。
マッド・ガイアス: 太平洋トーナメントシップの優勝候補。全身を棘で覆い、高速回転で相手を破壊する。
ボロボット・ボボット: マジンガーZに登場するボスボロットに酷似したマシン。怖気づいて逃亡する。
オーディン・ザ・グレート: 現時点で世界最強のグラップルマシン。ザ・サタンとは兄弟機。

用語解説

グラップルマシン: グラップラーが乗り込む人型ロボット。スポンサー企業が開発・製造を行う。
インバージョン・シンドローム: グラップラーとグラップルマシンのシンクロ率が高すぎる場合に発生する現象。受けた衝撃がグラップラーに跳ね返ってくる。

書籍情報

KCマガジン 全5巻（1983年、講談社）
KCスペシャル 全3巻（1988年、講談社）
スターコミックス 全3巻（1997年、大都社）

関連作品

バイオレンスジャック: 同じ永井豪作品。『ハイパーグラップル編』では、アイアンマッスルの世界観を使い、生身の人間同士が戦う。
マジンガーエンジェル: 炎桜子、およびファイアービューナスがスピンオフ出演。
Dororonえん魔くん メ〜ラめら: カパエルが用いた強化装備のモチーフとして、アイアンマッスルが登場。

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