アイク&ティナ・ターナー

アイク&ティナ・ターナーは、1960年代から1970年代にかけて一世を風靡した、アイク・ターナーとティナ・ターナーによるアメリカの音楽デュオです。夫婦でありながらも、音楽的なパートナーとして、ロック、ソウル、ブルース、ファンクなど多様なジャンルを横断する音楽性を展開し、数々のヒット曲を世に送り出しました。

結成までの道のり

ティナ・ターナー、本名アンナ・メイ・ブロックは、16歳で故郷テネシーからセントルイスに移り住みます。ナイトクラブでアイク・ターナー率いるザ・キングス・オブ・リズムと出会い、その歌唱力を見出され、バンドのバッキングシンガーとして活動を開始しました。ある日、メインボーカルが不在となった際、アンナが急遽ボーカルを担当。「ア・フール・イン・ラヴ」のレコーディングをきっかけに、アイクは彼女を前面に押し出すことを決意。アンナを「ティナ・ターナー」と改名させ、グループ名もアイク&ティナ・ターナー・レビューへと変更しました。

スターダムへの駆け上がり

1960年、「ア・フール・イン・ラヴ」でデビューを飾ると、R&Bチャートで2位、ポップチャートで27位を記録する大ヒットとなり、一躍脚光を浴びます。1961年には「イッツ・ゴナ・ワークアウト・ファイン」もヒットし、初のグラミー賞ノミネートを獲得。1966年には、フィル・スペクタープロデュースの「リヴァー・ディープ・マウンテン・ハイ」がイギリスで大ヒットし、ローリング・ストーンズのツアーのサポートアクトに抜擢されるなど、国際的な知名度を高めていきました。

1970年には、エド・サリヴァン・ショーで「プラウド・メアリー」を披露し、1971年にシングルとしてリリースされると、ポップチャートで4位を記録。1972年にはグラミー賞を受賞し、彼らの代表曲となりました。

人気の衰退と解散

1970年代半ばになると、アイク&ティナ・ターナー・レビューの人気は徐々に衰えを見せ始めます。ティナはソロ活動を開始し、テレビ番組などに出演するようになりました。しかし、この頃からアイクの薬物依存とDVが深刻化。ティナは耐えかねて逃亡し、1976年にグループは解散しました。その後、離婚訴訟を経て、1978年に和解が成立しました。

ディスコグラフィー

数多くのアルバムとシングルをリリースしており、代表的なアルバムには「The Soul of Ike and Tina Turner」、「River Deep - Mountain High」、「Workin' Together」などがあります。

ロックの殿堂入り

1991年には、アイク&ティナ・ターナーとしてロックの殿堂入りを果たし、その音楽的な功績が改めて評価されました。

アイク&ティナ・ターナーは、そのエネルギッシュなパフォーマンスと、多様な音楽性を融合させたサウンドで、多くのファンを魅了しました。しかし、夫婦関係の破綻とグループの解散は、音楽史に残る大きな出来事として記憶されています。

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