プラウド・メアリー

プラウド・メアリー (Proud Mary)

クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル（CCR）が1969年に発表したこの楽曲は、バンドの代表作の一つとして知られ、全米チャートで2位を記録しました。特に、アイク&ティナ・ターナーによるカバーバージョンは、原曲とは異なる魅力で広く親しまれています。

楽曲解説

ジョン・フォガティによって作詞作曲された「プラウド・メアリー」は、1969年1月5日発売のアルバム『Bayou Country』に収録され、シングルカットもされました。B面には「ボーン・オン・ザ・バイヨー」が収録されています。CCRにとって初のアメリカのポップチャートトップ10入りを果たした楽曲であり、最高で2位を記録。CCRは『ビルボード』チャートで1位を獲得できなかったアーティストの中で、最も多く2位を獲得したアーティストとしても知られています。

楽曲のインスピレーションは、フォガティがメモ書きしていた「Proud Mary」という言葉から生まれ、ミシシッピ川で活躍していた蒸気船「メアリー・エリザベス」をイメージして作られました。フォガティは実際に船を見たわけではなく、完全に想像でこの曲を書き上げたとされています。楽曲のヒット後、彼は実際にその船を見に行ったというエピソードがあります。

音楽的特徴

「プラウド・メアリー」は、ロックンロール、ブルース、ゴスペル、ソウルといった多様なジャンルの要素を融合させた楽曲です。繰り返されるギターリフや、「南部風」の歌詞、そしてフォガティが敬愛するスティーヴ・クロッパー（ブッカー・T&ザ・MG's）に影響を受けたギターソロなど、CCRの特徴的な要素が随所に散りばめられています。

2008年12月には、『Bayou Country』の40周年記念エディションが発売され、1971年9月21日にストックホルムで行われたコンサートでのライブバージョンが収録されました。

ローリング・ストーン誌が選ぶ「最も偉大な500曲」では、2021年版で152位にランクイン。BMI調べによる「20世紀にアメリカのテレビやラジオで最もオンエアされた100曲」では24位にランクインするなど、その影響力は計り知れません。

カバーバージョン

「プラウド・メアリー」は数多くのアーティストによってカバーされており、その中でも特に有名なのが、アイク&ティナ・ターナーによるバージョンです。原曲とは大きく異なる構成で、ティナ・ターナーの代表曲の一つとなりました。このバージョンは、ほぼソコ・リチャードソンとアイク・ターナーによって編曲され、官能的でスローテンポなオープニングとティナ・ターナーの語りによるイントロが特徴的です。1971年にはポップ・チャートで4位を記録し、ティナ・ターナーとビヨンセは第50回グラミー賞でこの曲を披露しました。

エルビス・プレスリーも1970年代前半のコンサートで頻繁にこの曲を演奏し、ライブアルバムにも収録されています。その他、ザ・ベンチャーズ、ノーキー・エドワーズなど、様々なアーティストが独自の解釈で「プラウド・メアリー」をカバーしています。

日本においても、尾崎紀世彦、ザ・ピーナッツ、キャンディーズ、前田亘輝など、多くのアーティストがこの曲を取り上げています。また、小島里美編曲による吹奏楽版も存在します。

「プラウド・メアリー」は、時代や国境を超えて愛され続ける、不朽の名曲と言えるでしょう。

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