アイシテル (CHAGEのアルバム)

『アイシテル』 CHAGE

解説

『アイシテル』は、CHAGE（現：Chage）が2008年10月8日にユニバーサル シグマよりリリースした、ソロ名義で2枚目のオリジナル・アルバムです。前作『2nd』からおよそ10年というブランクを経て発表されました。

本作の制作には、サウンドプロデューサーとして森俊之氏が参加。また、コーラスにはAMAZONSの三氏が迎えられています。視覚的な特徴として、ジャケット写真にはCHAGE自身が23年ぶりにサングラスを外した姿が採用され、当時大きな注目を集めました。

リリース形態として、初回限定盤には特典DVDが付属しました。このDVDには、アルバムに先行してリリースされたシングル曲「waltz」のミュージックビデオ本体と、その制作過程を追ったメイキング映像が収録されています。

アルバム発売後の同年11月2日からは、本作の世界観をライブで表現するコンサートツアー『CHAGE CONCERT TOUR 2008 アイシテル』が開催されました。

収録曲・楽曲解説

アルバムには全10曲が収められています。新曲に加え、自身のユニットであるMULTI MAX時代の楽曲や、過去に他のアーティストへ提供した楽曲のセルフカバーも多数収録されているのが特徴です。

アイシテル
アルバムの表題曲であり、最後に制作された楽曲です。アルバム収録曲全体を見渡した際に8ビートの曲が足りないという話になり、この曲が生まれました。まず印象的なフックとなるメロディーが先行し、そこに敢えて複雑なコードを多用せず、シンプルなコード進行の中で一瞬意表を突くような展開を加えることで完成に至りました。作詞はエガワヒロシ氏との共作ですが、特にサビの「越え、越え、声」というフレーズは、普段ラジオパーソナリティを務めるCHAGE氏自身の経験や思いが強く反映されています。

waltz
本作に先駆け、2008年9月10日にシングルとしてリリースされた楽曲です。テレビ東京系の人気番組『開運!なんでも鑑定団』のエンディングテーマとして使用されました。このアルバム制作において最初に完成した楽曲であり、企画段階から仮タイトルとして「waltz」と呼ばれていたほど、早い段階でその音楽性が確立されていました。

マシュマロ
1998年に香港を代表するアーティスト、レスリー・チャン氏へ提供した楽曲をセルフカバーしたものです。2008年3月に行われた大友直人氏プロデュースのイベントでのライブパフォーマンスが好評を博し、その後のアルバム収録へと繋がりました。

LOVE
CHAGE氏が過去に結成していたユニット、MULTI MAXが1991年11月6日にリリースしたシングル曲のセルフカバーです。CHAGE氏自身が「今の自分にとって欠かせない楽曲」と公言するほど思い入れが深く、その話を聞き、実際に楽曲を聴いたサウンドプロデューサーの森俊之氏がその魅力に惹かれ、リメイクを熱望したことが収録のきっかけとなりました。また、本作全体のテーマ性とも通じる要素があることも収録理由の一つに挙げられています。

夜のイキモノ
独特の浮遊感と、どこか気だるくもまったりとした世界観を持つ楽曲です。作詞はエガワヒロシ氏との共作で、「女性は美しくあるべき」といったテーマについて話し合いながら言葉が紡がれたといいます。

BOYS LIFE
シングル「waltz」のカップリング曲として、同じく2008年9月10日に発表されました。

RAINY BLUES
1970年代後半から1980年代後半にかけてのサウンドテイストを意識して制作されました。CHAGE氏はこの楽曲について、「メロディーラインはシンプルに聞こえるかもしれませんが、緻密な計算のもとに作られているので、じっくり聴き込んでほしい」とコメントしています。作詞はエガワヒロシ氏が担当しており、CHAGE氏から複数のテーマを提示され、それらを基に書き上げられました。

クールで行こう!
男女のボーカルによる掛け合いが特徴的な構成の楽曲です。男性パートのボーカルはCHAGE氏が、女性パートのボーカルはAMAZONSが担当しています。作詞も同様に、男性パートの歌詞をCHAGE氏が、女性パートの歌詞を青木せい子氏が手掛けています。

SOME DAY
MULTI MAXが1989年10月21日にリリースしたデビューシングルをセルフカバーした楽曲です。「LOVE」と同様に、CHAGE氏にとって非常に重要な意味を持つ楽曲であり、今回のアルバムのテーマ性にも合致することから、本作への収録が決定しました。

永遠の謎
CHAGE氏自身が、本作の中で「最も彼らしいバラード」と位置づける楽曲です。「永遠の謎」という言葉自体を気に入り、アルバムタイトル候補の一つとしても検討されたほどです。楽曲の原型は古く、MULTI MAXのアルバム『Oki doki!』を制作していた1996年頃には既に存在していました。その後、2010年にリリースされたアルバム『&C』には、この原曲の初期アレンジに近いバージョンが改めて収録されています。

参加ミュージシャン

本作のレコーディングには、以下のミュージシャンが参加しています。

Drums：沼澤尚
Bass：沖山優司
Guitars：山本タカシ、西川進
Keyboards：森俊之、河野圭
Chorus：AMAZONS（大滝裕子、斉藤久美、吉川智子）、CHAGE
Strings：後藤勇一郎グループ、弦一徹グループ
* Chorus Arranged by 吉川智子

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