アイズレー・ブラザーズ

アイズレー・ブラザーズ (The Isley Brothers)

アイズレー・ブラザーズは、アメリカの音楽シーンにおいて重要な役割を果たしてきたグループです。1950年代にオケリー・アイズレー、ルドルフ・アイズレー、ロナルド・アイズレーの3兄弟によって結成され、最初はドゥーワップを中心に活動を開始しました。その後、1959年にリリースした「シャウト」が大ヒットし、彼らの名は知られるようになりました。翌年には、ビートルズでもお馴染みの「ツイスト・アンド・シャウト」を発表し、その後も数々のヒット曲を生み出します。

1960年代に入ると、未だ無名だったジミ・ヘンドリックスをツアーメンバーとして招き、彼をレコーディングにも参加させたことが大きな話題となりました。アイズレー家に居候していたヘンドリックスの姿は、幼いアーニー・アイズレーに強い影響を与え、後に彼もグループに参加して特異なスタイルのギタリストとして活動するようになります。1966年にはモータウンから「ジス・オールド・ハート・オブ・マイン」を発表し、続く「君の胸に抱かれたい」も成功を収めました。

1969年、アーニーと他のメンバーを加えた6人編成のバンドとし、新たなソウルとファンクのスタイルで「イッツ・ユア・シング」をヒットさせます。その後、1970年代にかけて「ラブ・ザ・ワン・ユア・ウィズ」や「思い出のサマー・ブリーズ」といったカバー曲もリリースし、多様な音楽スタイルを取り入れ続けました。

グループ内のメンバーの変動もありましたが、特に1980年代は不遇の時期となりました。オケリー・アイズレーが1986年に心臓発作で他界し、ルドルフ・アイズレーが聖職に転向するなど、活動の中心メンバーが変わります。1989年にはロナルドアイズレーが自己のプロジェクトとして「The Isley Brothers featuring Ronald Isley」を名乗り、若い世代のアーティストとのコラボレーションにも積極的に参加しました。この時期もヒットを続け、「フォー・ザ・ラブ・オブ・ユー」が再び注目を集めました。

1990年代に入るとアーニーとマーヴィンが復帰し、アリーヤによる「アット・ユア・ベスト」のカバーもヒットしました。さらに、ロナルドはRケリーとのコラボレーション「ダウン・ロウ」を発表し、彼らの活動は続きます。しかし、1997年にはマーヴィンが病により活動を休止し、次第にグループは再び変化を強いられます。

2000年代に突入すると、ロンは「Isley Brothers Featuring Ronald Isley AKA Mr. Biggs」という名義で新たなアルバムを発表し、ビルボードHOT 100にもチャートインしました。これにより、アイズレー・ブラザーズは1950年代から2000年代まで続くヒットを記録した初のアーティストとなります。

しかし、ロナルド・アイズレーが所得税関連で問題を抱え、2006年には懲役に服する事態となり、グループの活動は困難を極めることとなります。彼は2010年に出所し、再び活動を再開し、新たなツアーも行いました。このような様々な障害を乗り越えながらも、アイズレー・ブラザーズは今日も音楽的な影響力を持ち続けています。彼らは音楽産業において重要な地位を占め、多くのファンに支持され続けています。

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