アイデンティティと民主主義

アイデンティティと民主主義（Identity and Democracy、ID）は、欧州議会の右翼・極右政治会派です。2019年の欧州議会議員選挙後、既存の会派「国家と自由の欧州」の後継として誕生しました。フランス国民連合、イタリアの同盟、ドイツのための選択肢といった、各国の民族主義政党や右派ポピュリズム政党、欧州懐疑主義政党によって構成されています。

2019年6月、複数の加盟国から選出された欧州議会議員らが集結し、会派を結成しました。選挙前の「国家と自由の欧州」の議席数（36議席）を大きく上回る規模となり、欧州議会における主要会派の1つに位置づけられました。会派代表には、イタリアの同盟党からマルコ・ザンニが就任しました。

アイデンティティと民主主義の主張の中心は、以下の通りです。まず、経済政策においては、雇用創出と経済成長を最優先課題として掲げています。具体的な政策としては、規制緩和や企業支援などを推進する姿勢が見られます。

次に、安全保障政策においては、国境管理の強化や治安維持を重視しています。特に、不法移民問題への厳しい対応を表明しており、移民流入の抑制策や不法移民の送還などを訴えています。

さらに、EUとの関係性においては、EUの官僚主義への批判を繰り返し行っています。加盟国の主権回復を目指し、EUの権限を各加盟国に返還すべきだと主張しています。EUの統合深化に反対し、各国の独自性を重視する立場をとっています。

アイデンティティと民主主義は、近年台頭が目覚ましい欧州の右翼・極右政党の集まりです。EUの統合に懐疑的な立場をとり、移民問題や国家主権などを中心とした主張を行っています。その活動は、EUの政治状況に大きな影響を与え、欧州統合のあり方や、移民政策、安全保障政策に関する議論を大きく変えています。会派の構成政党は、各国の政治情勢や選挙結果によって変動する可能性があります。今後、これらの政党がどのように連携し、欧州政治に影響を与えていくのか注目されます。

会派の活動は、欧州議会での投票行動や政策提言、公の声明などを通じて行われています。また、各構成政党の国内における活動とも密接に関連しており、EUレベルと国内レベルの政治が複雑に絡み合っているのが現状です。

2021年1月時点での参加政党は、公表された情報に基づいています。会派の構成は変動する可能性があり、最新の情報を確認する必要があります。今後、この会派が欧州政治の動向にどのような影響を及ぼしていくのか、継続的な注目が必要です。

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