アイドルNO.1

郷ひろみ8枚目のオリジナルアルバム『アイドルNO.1』：1970年代を彩るポップサウンドの傑作

1977年9月1日、CBS・ソニーから発売された郷ひろみ8枚目のオリジナルアルバム『アイドルNO.1』は、彼の輝かしいキャリアにおいて重要な位置を占める作品です。前作から約3ヶ月、オリジナルアルバムとしては前々作から約11ヶ月ぶりのリリースとなり、シングル「帰郷／お化けのロック」と同時発売という形で世に送り出されました。

このアルバムは、数々のヒット曲を世に送り出した作曲家、都倉俊一氏の楽曲が中心となっています。ピンク・レディーなどの楽曲制作でも知られる都倉氏のメロディーセンスが、郷ひろみの歌声をさらに輝かせ、アルバム全体に統一感と洗練されたポップサウンドをもたらしています。アルバム収録楽曲の大半は、都倉俊一氏の手によるもの。彼の才能が遺憾なく発揮された作品と言えるでしょう。一方、筒美京平氏による楽曲も収録されており、異なる作曲家の個性が織りなす多彩な楽曲群が聴きどころです。

アルバム収録曲は、郷ひろみの代表曲の一つである「洪水の前」を始め、バラエティに富んだ楽曲が並んでいます。「水色の渦」「MIND反比例」「Plastic Johnne's Face」「ひろみのララバイ」「それが愛」「雨のロマン」「バックシャン」「悲恋」「銀河の騎士」「虹を追いながら」など、各楽曲は、それぞれの魅力を持つ個性豊かな作品であり、郷ひろみの幅広い表現力と音楽性を示しています。

歌詞面においても、岡田冨美子氏、島武実氏、岩谷時子氏など、当時を代表する作詞家たちが参加しており、郷ひろみの歌声をより魅力的に彩っています。彼らの巧みな言葉選びは、楽曲の世界観を豊かに表現し、聴く者の心を掴みます。また、編曲は船山基紀氏や田辺信一氏といった、当時日本の音楽シーンをリードした面々が担当し、楽曲に深みと広がりを与えています。

『アイドルNO.1』は、郷ひろみというアーティストの、音楽性と表現力の高さを示すだけでなく、1970年代後半の日本の音楽シーンの状況を反映した、重要な作品として評価できます。1991年にはCD規格で再発売され、現在でも多くのファンに愛されています。このアルバムは、郷ひろみのキャリアにおいて、彼の地位を確固たるものとした、まさに「アイドルNO.1」に相応しい作品と言えるでしょう。当時を知る世代はもちろん、現代のリスナーにとっても、新鮮な驚きと感動を与える、忘れがたい名盤です。郷ひろみファンのみならず、日本の音楽史を紐解く上でも重要な一枚と言えるでしょう。当時を知る人々にとっては、郷愁を誘うノスタルジックな作品であり、若い世代にとっては、日本の音楽史における重要な作品との出会いの機会となるでしょう。

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