アイム・オールド・ファッション (アルバム)

『アイム・オールド・ファッション（I'm Old Fashioned）』は、日本のジャズ・サックス奏者である渡辺貞夫が、ザ・グレイト・ジャズ・トリオと初めて共演したアルバムとして、ジャズファンにとって特別な一枚です。このアルバムは、渡辺貞夫の卓越した演奏技術と、ザ・グレイト・ジャズ・トリオの洗練されたサウンドが融合した、まさに至高のジャズ作品と言えるでしょう。

ザ・グレイト・ジャズ・トリオは、ハンク・ジョーンズ（ピアノ）、ロン・カーター（ベース）、トニー・ウィリアムズ（ドラムス）という、ジャズ界を代表する名手たちによって構成されています。彼らの卓越した演奏技術と豊かな音楽性は、渡辺貞夫の演奏を最大限に引き出し、アルバム全体に深みと奥行きを与えています。

アルバム収録曲は、スタンダード・ナンバーを中心に構成されており、渡辺貞夫のアルト・サックスとフルートが、これらの名曲に新たな息吹を吹き込んでいます。ハンク・ジョーンズの繊細かつダイナミックなピアノ、ロン・カーターの重厚なベースライン、そしてトニー・ウィリアムズの革新的なドラムが、渡辺貞夫のメロディを支え、楽曲をより一層魅力的なものにしています。

このアルバムの録音は、ザ・グレイト・ジャズ・トリオのアルバム『ラヴ・フォー・セール（Love for Sale）』が録音された日の前日に行われました。そのため、両方のアルバムを聴き比べることで、それぞれの演奏家の個性がより際立ち、当時のジャズシーンの熱気を肌で感じることができるでしょう。

アルバム制作には、鯉沼利成が監修として、伊藤潔と伊藤八十八がプロデューサーとして参加しています。また、エンジニアリングはデイビット・ベイカーと鈴木良博が担当し、アルバム・デザインは石岡瑛子と成瀬始子が手掛けています。写真には坂田栄一郎、製版はミカ製版、ライナー・ノーツは油井正一、アドバタイズメントは亀倉潤一が担当するなど、各界の著名なクリエイターが制作に携わっています。

2002年の再発時には、エグゼクティヴ・プロデューサーを鍋谷博敏、プロデューサーを五野洋、マスタリング・エンジニアを西村英明、マスタリング・スーパヴァイザーを新倉紀久雄が務め、音質の向上に尽力しています。

『アイム・オールド・ファッション』は、スイングジャーナル選定ゴールド・ディスクを受賞するなど、高い評価を得ています。渡辺貞夫とザ・グレイト・ジャズ・トリオという、ジャズ界を代表するアーティストたちの才能が結集したこのアルバムは、まさにジャズ史に残る名盤として、今後も多くの音楽ファンに愛され続けることでしょう。

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