アイ・ゴー・トゥ・ピーセス

アイ・ゴー・トゥ・ピーセス (I Go to Pieces)

「アイ・ゴー・トゥ・ピーセス」（原題：I Go to Pieces）は、デル・シャノンによって作詞作曲された楽曲であり、ピーター&ゴードンの代表的なヒット曲として広く知られています。

楽曲の背景

デル・シャノンは、ミシガン州のナイトクラブで才能あるR&Bシンガー、ロイド・ブラウンを見出し、彼のためにこの楽曲を書き下ろしました。シャノンのプロデュースによりブラウンのレコーディングも行われましたが、最終的にレーベル会社が見つからず、彼のバージョンは日の目を見ることはありませんでした。その後、1964年8月にシャノン自身によるレコーディングが試みられましたが、スタジオの予約時間の制約から満足のいくボーカルテイクが得られず、レコード化は見送られました。ただし、シャノンによるバージョンは、1965年にアルバムに収録される形で発表されています。

最終的に、イギリスのデュオ、ピーター&ゴードンがこの曲を歌うことになり、1964年11月20日に彼らの4枚目のシングルとしてリリースされました。興味深いことに、彼らの過去3枚のシングルのA面はすべてレノン＝マッカートニーの作品であったため、「アイ・ゴー・トゥ・ピーセス」は、彼らにとって初めてアメリカのソングライターによる作品となりました。本国イギリスでは大きなヒットとはなりませんでしたが、1964年12月にアメリカで発売されると、1965年2月20日から2月27日にかけて、ビルボード・Hot 100で2週連続9位を記録するヒットとなりました。ブリティッシュ・インヴェイジョンの勢いに乗り、スウェーデンでは11位、オーストラリアでは26位を記録しました。

多彩なアーティストによるカバー

「アイ・ゴー・トゥ・ピーセス」は、数多くのアーティストによってカバーされており、それぞれの個性が光る様々なバージョンが存在します。

デル・シャノン：1965年のアルバム『One Thousand Six Hundred Sixty One Seconds』に収録。
コットン、ロイド&クリスチャン：1975年のデビュー・アルバムに収録され、シングルカットもされました。ビルボード・イージーリスニング・チャートで10位を記録しています。
ザ・ウィナーズ：1975年のアルバム『Love and Other Pieces』に収録。
レイチェル・スウィート：1979年のデビュー・アルバム『Fool Around』（アメリカ盤）に収録。
サザン・パシフィック：1990年のアルバム『Country Line』に収録。
ニルス・ロフグレン：1981年のアルバム『Night Fades Away』に収録。作者であるデル・シャノンとの共演も実現しています。

「アイ・ゴー・トゥ・ピーセス」は、時代を超えて愛される名曲として、そのメロディと歌詞が多くの人々の心に響き続けています。

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