アウェアネス

アウェアネス（awareness）は、英語で「意識」や「気づき」を意味する言葉です。日本語では、主に二つの異なる文脈で使用されています。

一つは、マスメディアを含む社会的な文脈におけるアウェアネスです。この文脈では、ある問題に対する人々の知識の程度や、危機意識・問題意識の高さを指します。例えば、「アウェアネス・リボン」は、特定の社会問題に対する関心を高め、啓発活動を促進するために用いられます。

もう一つは、認知神経科学や心の哲学といった学術分野におけるアウェアネスです。この文脈では、人が何らかの情報にアクセスでき、その情報を自分の行動を制御するために利用できる状態を指します。学術的なアウェアネスは、意識研究において重要な概念であり、人がどのようにして自分の状態や周囲の状況を認識するのかを理解する上で不可欠な要素です。

具体例として、以下のような状態が挙げられます。

視覚的アウェアネス：例えば、「赤い色が見えている」ということに気づき、それを言葉で報告できる状態です。この場合、視覚情報が意識に上り、言語化可能な形で表現されることがアウェアネスの条件となります。
感情的アウェアネス：例えば、「自分がある種の感情（怒り、喜び、憂鬱など）を持っている」ということに気づき、それを言葉で報告できる状態です。自分の内面的な感情状態を認識し、それを他者に伝えることができる能力は、自己理解とコミュニケーションにとって重要です。
自己認識：例えば、「自分が存在している」ということに気づき、それを言葉で報告できる状態です。自己認識は、自己の存在に対する深い理解を意味し、人間特有の能力と考えられています。

重要な点として、人間は自分の脳内で行われているすべての処理に気づいているわけではありません。実際には、脳の多くの処理は無意識下で進行します。この無意識の処理は、日常生活における多くの行動や判断を支えており、意識的な気づき（アウェアネス）とは異なるメカニズムで機能しています。

アウェアネスの研究は、意識のメカニズムを解明する上で重要な役割を果たします。特に、意識と無意識の境界線を理解することは、人間の認知能力を深く理解する上で欠かせません。

関連用語

盲視：視覚野に損傷があるにもかかわらず、無意識的に視覚情報に反応する現象。
現象的意識：主観的な経験として意識される質感や感覚。
クオリア：意識体験の質的な側面。例えば、「赤さ」の感覚のようなもの。
マインドフルネス: 現在の瞬間に意識を集中させる瞑想的な実践。

外部リンク

気づき - 脳科学辞典

もう一度検索