アウグスト・フォン・グナイゼナウ

ナイトハルト伯アウグスト・ヴィルヘルム・アントニウス・フォン・グナイゼナウ

ナイトハルト伯アウグスト・ヴィルヘルム・アントニウス・フォン・グナイゼナウ（1760年10月27日 - 1831年8月23日）は、プロイセン王国の陸軍元帥として歴史に名を刻む軍人です。彼は、ゲルハルト・フォン・シャルンホルストとともにプロイセン軍の制度改革を進め、ナポレオンの圧政からの解放を目指しました。その業績は、現在の諸国の軍隊における参謀本部の基礎を築くことにも寄与しました。グナイゼナウは、1840年代からのナポレオン戦争の同盟軍の勝利に寄与し、一時は壊滅的な状況にあったプロイセン軍を再生に導きました。

略歴

初期の軍歴

1760年、ドイツ中央部のトルガウ近郊で生まれたグナイゼナウは、ザクセン軍の砲兵士官の息子として育ちました。幼少期に家族は転々とし、1777年にはエルフルト大学に入学しますが、2年後には退学し、オーストリア軍に入隊しました。1782年には、貴族の血筋を引く遠縁からその姓を引き継ぎ、二重姓を名乗ることになりました。この姓は彼にとって後に昇進に有利に働きます。

アンスバッハの辺境伯に任官され、資金不足のために兵士をイギリスに派遣。彼自身も志願してアメリカ独立戦争に従軍しました。

プロイセン軍へ

1786年に帰国したグナイゼナウは、フリードリヒ大王のプロイセン軍に志願し、歩兵中尉に任官しました。対ポーランド戦争でも活躍し、1796年に結婚しました。

1806年、彼はナポレオン戦争に従軍。イエナ・アウエルシュタットの戦いでの敗北後、一時は捕虜となりますが、解放後、コルベルク要塞の防衛に成功し中佐に昇進しました。

軍制改革

和平後、彼はシャルンホルストとともにプロイセン軍の再建に尽力し、1809年に大佐に昇進しました。しかし、ナポレオンの圧力によって改革は阻まれます。1811年には特使として各国を巡った後、再び軍務に就きました。

ナポレオンからの解放戦争

1813年、プロイセンはフランスに宣戦布告し、グナイゼナウは作戦の策定に携わりましたが、春の攻勢は成功しませんでした。シャルンホルストの死後、彼が参謀総長として後を引き継ぎ、指揮系統を整備しました。

連合軍はライプツィヒの戦いに勝利し、ブリュッヘルによりパリに入城。グナイゼナウの考えが影響を与え、多くの軍事的戦略を成功に導きました。

ワーテルローの戦い

1815年、ナポレオンの帰還後、グナイゼナウは再び参謀総長に任命され、ワーテルローの戦いに臨みました。彼の指導のもと、プロイセン軍は連合軍と協力して決定的な勝利を収め、ナポレオンは二度目の退位を余儀なくされました。

ワーテルロー後と晩年

戦後、彼はコプレンツ軍の司令官に任命され、1816年に退官。しばらく軍務を離れた後、再び政治に関与し、1825年に元帥の地位に就きました。晩年はポーランドの動乱に備えつつ、1831年にコレラにかかり、この世を去りました。

その他

彼の名は、数隻の軍艦に冠され、歴史にその名を残しています。

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