アウターガンダム

『アウターガンダム』とは

『アウターガンダム』は、アニメ『ガンダムシリーズ』をテーマにした松浦まさふみによる漫画作品で、1988年から1992年までサイバーコミックスに連載されました。単行本は1992年にバンダイから発行され、2002年にはメディアワークスのDENGEKI COMICSから再刊されています。物語は無人型モビルスーツ「ゼファーガンダム」を中心に展開し、一年戦争の舞台でMS開発者たちの活動やソロモン攻略戦の模様を描いています。

本作は、アニメ『機動戦士ガンダム』が発表される以前の公式設定が確立される前に創作されたため、宇宙世紀シリーズの詞に基づきつつも、松浦氏の独自の解釈が色濃く反映されています。さらに、ここから派生した続編作品として『機動戦士ガンダム プログラム=マスター』『機動戦士ガンダム ムーンクライシス』『機動戦士ガンダムReon』が登場し、シリーズ化が進んでいます。

作者は後書きの中で、サイバーコミックスを「作家が自由にガンダムを題材にできた稀有な出版物」と捉え、自身の独自設定が読者に与える驚きについて触れています。興味深いことに、公式の意向として過去に許可が下りた作品に対しては、版権が保持されることが明言されており、その結果、本作も引き続き広く知られることとなりました。ただし、出版過程では2008年に原稿の紛失が報告されるなど波乱もありました。

ストーリー

物語は宇宙世紀0067年、アメリカのライアン重工業で動力炉を搭載した大型機械、ロボットシステム（RS）の開発を指揮する工学博士ワルハマー・T・カインズとテレンス・リッツマンの二人を中心に進行します。彼らは後に地球連邦とジオン公国にそれぞれ分かれ、開発の形で対立することになります。物語の時間軸では、一年戦争が西暦2047年に設定されています。

登場人物

本作には多彩な人物が登場します。

• - ワルハマー・T・カインズ: 開発を主導する工学博士。
• - テレンス・リッツマン: 彼と共にRS開発に携わる技術者。
• - リャン・レイホン など、他にも多くのキャラクターが物語を彩ります。

登場兵器

本作には独自の兵器設定が数多くあります。以下はその一部です。

• - RX-79EX-1 ゼファーガンダム: 物語の中心となる無人型モビルスーツ。
• - ペガサス級戦闘空母「トリビューン」 など、様々な機体が登場します。

RS計画

RS計画は、宇宙世紀0060年代から0070年代初頭にかけて、ライアン重工で進められていた大型汎用機の開発プロジェクトです。目指すのは将来的に太陽系外進出を可能にする人型機械の実現です。初期のRSはサイズの制約から動力源を外部に依存していましたが、最終的には独自の「フィールドフローティングシステム」を採用し、開発が進みました。ですが、地球連邦政府の指示で一度中止となったものの、基礎研究の成果はRX計画やV作戦の参考にされたことで、後のモビルスーツ開発に多大な影響を与えました。

『アウターガンダム』は、ガンダムシリーズの基盤を成しつつも、松浦まさふみ独自の視点で展開されることで、多くのファンに愛される作品となっています。

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