アウディ・オールロードクワトロ

アウディ オールロードクワトロ：悪路走破性を高めたステーションワゴン

アウディのオールロードクワトロは、1999年以来、同社が販売を続けるクロスオーバータイプのステーションワゴンです。A6およびA4アバントをベースに開発され、洗練されたデザインと高い走行性能を両立しています。

初代モデル（1999-2005年）：A6アバントをルーツに

初代オールロードクワトロは、A6アバントをベースに開発されました。特徴は、悪路走破性の向上です。トレッドの拡大、ホイールアーチの大型化、専用設計の樹脂製バンパー、前後アンダーガード、サイドシルガードといったエクステリアの変更に加え、アウディ独自の4WDシステム「クワトロ」と専用サスペンションを組み合わせることで、高い走破性を確保しました。

特に注目すべきは、4段階に車高調整可能なエアサスペンションです。自動またはドライバーの操作によって、最低地上高を142mmから208mmまで変更可能で、様々な路面状況に対応できる優れたシステムでした。搭載エンジンは2.7L V型6気筒ツインターボと4.2L V型8気筒の2種類で、いずれも5速ATティプトロニックが組み合わされていました。

日本市場では2001年2月から販売が開始され、2.7Lと4.2Lエンジンの2グレードがラインナップされました。アルミクロームパーツをブラックアウトした簡素版や、豪華なウッドパネルと本革シートを採用した上級グレードも用意され、合計2,471台が登録されました。

2代目モデル（2005-2011年）：A6オールロードクワトロへ

2005年には、A6がC6系へフルモデルチェンジしたのに伴い、オールロードクワトロもモデルチェンジを実施。車名も「A6オールロードクワトロ」に変更されました。

北アメリカや日本では2009年までに販売を終了しましたが、欧州市場ではマイナーチェンジを経て販売が継続されました。日本市場では、ガソリンエンジン搭載モデルのみが導入されました。

3代目モデル（2012-2019年）：限定販売を経てカタログモデルへ

3代目モデルでは、V型8気筒エンジンの廃止、V型6気筒ガソリンエンジンの排気量変更などが行われました。また、ドイツ本国ではディーゼルエンジンも設定されました。

日本市場では、2012年8月にA4オールロードクワトロと同時発売されましたが、Q7との販売競合を避けるため、当初は限定300台での販売となりました。その後、再販を経て、2014年にはカタログモデルとして正式に販売されるようになりました。

4代目モデル（2019年-）：マイルドハイブリッド搭載

現行モデル（4代目）は、ベースとなったA6と同様にマイルドハイブリッドシステム（MHEV）を搭載しています。2021年2月現在、日本市場への導入は行われていません。

A4オールロードクワトロ

A4オールロードクワトロは、A4アバントをベースにしたモデルです。2009年に発表され、2.0L直列4気筒ガソリンエンジンと3.0L V型6気筒ディーゼルエンジンが用意されました。

日本市場では2010年から限定販売が開始され、段階的に販売台数を増やしながら、2014年にはカタログモデルとして正式に販売されるようになりました。

まとめ

アウディ オールロードクワトロは、オンロードでの快適性とオフロードでの走破性を両立したステーションワゴンです。モデルごとに異なるエンジンや装備、販売戦略など、その歴史は興味深いものです。それぞれのモデルの個性と魅力を知り、アウディ オールロードクワトロの世界を深く理解していただければ幸いです。

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