アウトストラーダ A22

アウトストラーダ A22（アウトストラーダ・デル・ブレンネロ）

アウトストラーダ A22、通称アウトストラーダ・デル・ブレンネロは、イタリア北部を南北に縦断する重要な高速道路です。ドイツ語ではブレンネラウトバーンとも呼ばれ、パダーナ平原とA1を、オーストリアとドイツへと接続する役割を担っています。この道路はアウトストラーダ・デル・ブレンネロ株式会社によって管理されています。

歴史

1949年、道路交通に関するジュネーヴ条約が進められる中で、現在のアウトブレンネロはスカンジナビア半島とイタリア最南端を結ぶE45の一部として既に計画されていました。

1959年2月20日、アウトストラーダ・デル・ブレンネロ株式会社が設立され、その2年後には道路の建設と管理の許可を得ました。初期の経路は、グイド・デ・ウンテリクテル上院議員が指名したブルーノとリーノのジェンティリーニ兄弟によって設計されましたが、後に変更が加えられ、片側7.5m幅の上下線分離道路となりました。

ブレンネロとヴェローナ間の計画は1962年1月25日にANASによって承認され、ヴェローナとモデナ間の計画は翌年に承認されました。1963年に最終的な設計が承認されると、国際的な資金提供も得て建設が開始され、1968年12月21日にはボルツァーノとトレント間の50km区間が開通しました。1971年4月5日には、イタリアとオーストリア間で最初の高速道路による移動が始まりました。

1974年4月11日、建設工事において最も困難だったキウーザとボルツァーノ間の区間が開通し、全線が開通しました。当時、全体で21の出入口と12のサービスエリアが設けられました。当時の総工事費用は2437億2182万1000リラで、1kmあたり7.8億リラでした。A22が最初の営業利益を計上したのは1984年のことです。その後、出入口の開閉など、いくつかの変更が加えられてきました。

現在、アウトストラーダの総延長は313.5kmで、23の入口、22の出口、6つのセキュリティセンター、6つのサービスセンター、22のサービスエリアがあります。

経路の特徴

総延長315kmの経路は、モデナでアウトストラーダ A1から分岐し、北上してカルピ、マントヴァを通り、ヴェローナでA4と交差します。そこからガルダ湖に並走するアディージェ渓谷を上り、ロヴェレート、トレントを経てボルツァーノに到達します。さらにイザルコ渓谷を進み、ブレッサノーネ、ヴィピテーノを経て、ブレンネロの税関に到着します。モデナからミュンヘンまでの回廊は、ブレンナー・アウトバーンとしてオーストリアへと続きます。この高速道路は、トレンティーノ＝アルト・アディジェ州、ヴェネト州、ロンバルディア州、エミリア＝ロマーニャ州の4つの州を通過します。

この道路は、ヨーロッパの南北を結ぶ上で非常に重要な役割を果たしており、アルプスの低い谷間を利用して建設され、ブレンネロの海抜も1,375mに抑えられています。1日あたり3万台から4万台の車両（約3分の1が大型車両）がこの道路を利用しており、特に休暇シーズンには交通量が急増し、頻繁に渋滞が発生します。この問題を解決するため、大型車両によるインターモーダル輸送が推奨されており、貨物をヴェローナから鉄道で輸送する試みがなされています。

A22のガードレールは、茶色で、耐食性と機械的強度に優れたコルテン鋼で造られています。交通情報は、トレンティーノ＝アルト・アディジェ州ではイタリア語がラジオNBC、ドイツ語がラジオ南チロル1、それ以外の区間ではラジオ・ピーコによって放送されています。

欧州自動車道路

A22は、ヨーロッパの南北幹線道路であるE45の一部で、スウェーデンのカレスアンドとイタリアのジェーラを結びます。ヴェローナでは、東西幹線道路であるE70（A4）と交差します。

工事と計画

動的車線制御
トレント南とロヴェレート北の区間では、渋滞時に緊急車線を3番目の車線として利用する動的3車線化が試行されています。道路上の電光掲示板で走行可能車線は緑色の矢印、まもなく使用できなくなる車線は黄色の斜め矢印、使用停止車線は赤色のX印で示されます。ボルツァーノ南とヴェローナ北の間でも動的車線化が計画されています。

3車線化
2016年、ヴェローナ北とモデナのA1ジャンクション間の区間で3車線化工事が開始されました。A1ジャンクションは交通量の増加と将来のサッスオーロ方面への延伸に対応するため拡張されます。3車線化は中央分離帯を利用し、土地の収用は行われません。最終的に、3車線化に加え、緊急車線が3.5m幅で確保され、33箇所の加速・減速車線が9.3km延長、309箇所の緊急退避所が設置される予定です。

カンポガッリアーノ - サッスオーロ接続路
A22をカンポガッリアーノからサッスオーロまで16km延伸する計画は、2005年に承認されました。2018年5月に工事が開始される予定でしたが、2021年8月現在、まだ着工されていません。これは、COVID-19による都市封鎖の影響で、交通量と収益が減少したため、計画の持続可能性に疑問が生じたためです。

計画では、合計25.5kmの道路が建設されます。そのうち14kmがカンポガッリアーノからサッスオーロまでの延伸部、6.5kmがルビーエラ南環状線、1.4kmが接続部、3.6kmがモデナ環状線との接続部です。また、高架橋2本、トンネル2本、15のアンダーパス、12のオーバーパスが建設される予定です。

ティ・ブレ (A15との接続路)
ティ・ブレ計画は、A15を北に延伸し、パルマ北部のフォンテヴィーヴォからA22のノガローレ・ロッカ出入口までを結ぶ85kmの計画です。総費用は27億ユーロで、パルマ県のサン・クイーリコ・ディ・トレカザーリまでの12km区間は建設中です。

トレントとロヴェレートの市街バイパス
トレント自治県は、トレントとロヴェレートの市街地の交通問題を軽減するため、それぞれの出入口間を無料で通行できるようにする計画を検討しています。特にロヴェレートでは環状道路がなく、頻繁に渋滞が発生しています。この計画は、新しい道路建設による環境と景観への影響がなく、年間約100万ユーロの費用負担で済むため、経済的かつ好ましいとされています。

水素ハイウェイ
A22は、ヨーロッパで最初の「水素ハイウェイ」になる予定です。水素供給施設は、再生可能資源から水素を生産し、ボルツァーノの環境保護基準に沿って運営されます。2014年夏、ボルツァーノ南出入口近くに新しい供給施設がオープンしました。

トレント南出入口
2011年5月3日、トレント南出入口が開通し、必要に応じて交通を一般道路（環状道路）に迂回させることが可能になりました。トレント南出入口の開通に伴い、トレント中央出入口の出口は閉鎖されました。

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