アウトストラーダ A28

アウトストラーダ A28は、イタリア北東部のヴェネト州を東西に結ぶ高速道路で、総延長は約50kmです。この道路は、アウトストラーダ A4（ヴェネツィア-トリエステ間）から分岐し、ポルトグルアーロを起点として、ポルデノーネを経由し、コネリアーノでアウトストラーダ A27に接続します。A28の建設は、環境への影響や地元住民の反対運動などにより、着工から完成まで38年という長い歳月を要しました。

歴史

A28の建設構想は、1950年代にまで遡ります。当時、アウトストラーダA4のヴェネツィア-トリエステ区間の建設が計画される中で、ポルトグルアーロとポルデノーネを結ぶ道路の必要性が認識されました。当初は、4車線の道路として計画されていましたが、後にアウトストラーダ規格での建設が決定しました。1972年に工事が開始され、1974年にはポルトグルアーロ-ポルデノーネ間が開通しました。しかし、その後ポルデノーネからコネリアーノまでの延伸工事は、環境保護団体や地元住民の反対運動などにより、長期間にわたり難航しました。

特に、パルーと呼ばれる湿地帯の環境保護が大きな問題となり、建設ルートの見直しや計画変更が繰り返されました。最終的には、2010年10月23日に全線が開通しましたが、その過程では、ノンチェッロ川に架かる橋の崩壊事故や、ゴーデガ・ディ・サントゥルバーノ出入口の閉鎖など、様々な問題が発生しました。

現在の状況

アウトストラーダA28は、片側2車線と緊急車線で構成されており、アウトヴィエ・ヴェネテ社が管理しています。フォンタナフレッダ-チンペッロ間は、ポルデノーネの南環状線としても機能し、市街地の交通渋滞緩和に貢献しています。また、この区間は、平均車速を監視するセーフティ・チューターが設置されています。アウトストラーダA28の利用には通行料金が必要ですが、コルディニャーノ本線料金所からポルトグルアーロ方面は無料です。冬季期間（11月15日から4月15日）は、全線で冬季装備が義務付けられます。

経路

A28は、ポルトグルアーロの工業地帯付近でA4から分岐し、チンペッロまでは国道251号の東側を並走します。その後、国道251号から離れ、国道13号の南側を西に進み、ポルデノーネ・インテルポルトの出入口があります。ポルデノーネを過ぎると、ノンチェッロ川とポルチャの湧出水系を横断し、フォンタナフレッダ出入口へと至ります。サチーレ東とサチーレ西の間では、リヴェンツァ川を渡る全長1,140mの高架橋が設置されています。コルディニャーノ本線料金所を超え、パルーの堤防を横切り、コネリアーノでA27に接続します。

環境への配慮

A28の建設では、特にパルーと呼ばれる湿地帯の環境保護に細心の注意が払われました。建設ルートの変更や、排水システムの整備など、様々な環境対策が実施されました。しかし、それでもなお、環境保護団体からは、A28の建設がパルーの生態系に悪影響を与えたという批判の声も上がっています。

まとめ

アウトストラーダA28は、その長い建設の歴史と、環境問題との両立という課題を抱えながらも、地域経済と交通の円滑化に貢献する重要な道路です。今後も、この道路が安全かつ持続可能な形で利用されることが期待されます。

付記

以下は、A28に関する補足情報です。

サービスエリア：グルアーロ、ポルチア/ブルニェーラの2箇所
冬季装備義務期間：11月15日から4月15日
* 管理会社：アウトヴィエ・ヴェネテ社

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