アエロ・トラスポルティ・イタリアーニ12便墜落事故

アエロ・トラスポルティ・イタリアーニ12便墜落事故

1979年9月14日、アエロ・トラスポルティ・イタリアーニ（ATI）12便は、アルゲーロ・フェルティリア空港からカリアリ・エルマス空港へ向かう途中、悲劇的な墜落事故に見舞われました。この事故により、乗員乗客31名全員が命を落としました。

事故機について

事故を起こした機体は、マクドネル・ダグラスDC-9-32型機（登録記号：I-ATJC）で、製造番号47667として1975年に製造され、ATIに納入されました。この航空機には、プラット・アンド・ホイットニーJT8D-9エンジンが搭載されており、総飛行時間は10,000時間でした。

事故の経緯

12便はアルゲーロ・フェルティリア空港を離陸し、カリアリ・エルマス空港への着陸を予定していました。副操縦士はカリアリの管制に連絡し、現地の気象情報を確認しました。当時、風は190度から8ノット、視程は7kmで、滑走路14が使用中であるとの情報を受けました。また、空港の南東と南西で雷が発生しているとの報告もありました。

その後、12便は管制から高度6,000フィート（約1,800m）までの降下許可を受けました。前方に積乱雲があったため、副操縦士は360度旋回して避ける旨を伝え、管制の承認を得ました。さらに、高度7,500フィート（約2,300m）から3,000フィート（約910m）への降下を報告しました。管制官は地上視認の可否を尋ねましたが、12便からは「まだ見えない」との返答がありました。降下高度は3,000フィートではなく6,000フィートに修正されました。

0時30分、12便は地上を視認し、6,000フィートから3,000フィートへの降下を報告しました。管制官はこれを認めましたが、同時に空港で雨が降り始めたことを伝えました。しかし、12便は旋回を終えておらず、予定の方向とは異なる方向に飛行していました。3,000フィートまで降下後、12便はアプローチの許可を受けました。副操縦士はビーコンの少し右側からアプローチを開始すると報告しました。0時34分、副操縦士は管制にILS（計器着陸装置）が作動しているか確認しましたが、実際には作動していました。この時点で、パイロットたちは自機の位置を見失っていました。機長は実際よりも南の海上を飛行していると考えていましたが、副操縦士は正確な位置を把握していました。

事故発生の1分半前、機長は副操縦士に着陸装置を出すよう指示し、降下を続けました。高度2,000フィート（約610m）で、12便はコンカ・ドルと呼ばれる岩山に機体下部を激突させ、大破炎上しました。墜落現場は、カリアリ・エルマス空港の南西約18kmの地点でした。

事故原因

事故調査の結果、12便のパイロットが管制からの指示を誤って解釈したことが主な原因とされました。この誤解が、パイロットの空間識失調を招き、最終的には悲劇的な墜落へと繋がったと考えられています。

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