アオコンゴウインコ

アオコンゴウインコについて

アオコンゴウインコ（Cyanopsitta spixii）は、ヨウム科に属する独特なインコで、主にブラジルのバイーア州北部に分布していました。美しい羽色と特異な生態を持つこの鳥は、現在非常に危険な状況に置かれています。ここでは、アオコンゴウインコの特徴や生息環境、そして現在の保護状況について詳しく見ていきます。

形態的特徴

アオコンゴウインコの大きさは全長55～57センチメートルで、尾羽が特に長いのが特徴です。羽毛は紫がかった青色で、頭部や身体の下面は淡い青灰色を呈しています。目の虹彩は淡い黄褐色で、顔部分の羽毛はなく、黒灰色の皮膚が露出しています。口ばしは黒色で、後肢は灰褐色です。これらの特長から、この鳥は非常に魅力的な見た目を持っています。

生息地と生態

アオコンゴウインコは、主に有刺植物や多肉植物が生える半乾燥地帯に生息していました。特にノウゼンカズラ科の植物が豊富な広葉樹林に好んで見られます。食性は果実や種子が中心で、これらの食物を得るためには豊かな植生が必要です。

繁殖期は11月から翌年の3月にかけて行われ、樹洞に巣を作ります。野生下では、通常2～3個の卵を産むことが確認されており、抱卵期間は約26日です。雛は孵化後約2か月で巣立つため、この短い期間に親鳥は雛をしっかりと育てる必要があります。

人間との関係と保護状況

アオコンゴウインコはかつて非常に多くの個体が生息していましたが、近年は森林伐採や乱獲の影響で個体数が劇的に減少しました。また、水力発電用のダム建設や乾燥地帯の放牧によって生息地が圧迫され、さらに人為的に移入されたミツバチとの競争も個体数に影響を与えています。

1985年、バイーア北部において繁殖地が発見されましたが、その後ほぼ全ての個体が捕獲されてしまいました。1990年には生存していたオスが報告され、このオスはアカビタイヒメコンゴウインコのメスとペアを形成しました。しかし、1995年には交配を目的として放鳥されたメスが行方不明になり、その後の調査により送電線との衝突による死亡が考えられています。このように、飼育下では繁殖の成功例があるものの、野生に再導入することについては現在も活発な議論が続いています。

2000年には、野生のアオコンゴウインコに関する目撃例がなくなり、事実上の絶滅が宣告されました。その後の2016年には再度目撃情報がありましたが、これについては飼育下の個体が逃げ出したか放鳥されたものと考えられています。また、1975年のワシントン条約の発効と共に、本種は附属書Iに掲載され、国際的にも保護の対象となっています。1967年からはブラジル国内でも法的に保護されています。

アオコンゴウインコは、その美しさと生態の独自性から多くの人々に愛されていますが、現在もなお、その保護のための努力が求められています。

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