アガメムノン (戦艦)

HMSアガメムノン：イギリス海軍の戦艦

HMSアガメムノンは、イギリス海軍が誇るロード・ネルソン級戦艦の一隻です。その艦歴は、20世紀初頭の激動の時代を反映しています。

建造と初期の活動

1904年に発注されたアガメムノンは、ウィリアム・ベアードモア社のダルミール造船所で建造されました。1905年5月15日に起工し、1906年6月23日に進水しましたが、労働争議や12インチ砲の転用により、竣工は1908年6月まで遅れました。

1908年6月25日、アガメムノンは本国艦隊ノア戦隊で就役。しかし、1911年2月11日にはスペインのフェロルで岩礁に接触し、艦底を損傷する事故に見舞われました。1913年9月には一時的に第4戦艦戦隊に配属されています。

第一次世界大戦での活躍

第一次世界大戦が勃発すると、アガメムノンは海峡艦隊の第5戦艦戦隊に配属され、イギリス遠征軍のフランスへの輸送を援護しました。その後、イギリス沿岸の警備やイギリス海峡の哨戒に従事。1915年2月には、ダーダネルス作戦への参加を命じられます。

ダーダネルス作戦

アガメムノンは、ダーダネルス海峡入り口のオスマン帝国軍要塞に対する砲撃に参加。2月25日には被弾し、死傷者を出しました。その後も、小規模な上陸作戦の支援や要塞砲撃に参加しましたが、3月7日と8日には再び激しい砲撃を受け、損傷を負いました。

4月25日には、メインの上陸作戦を援護し、掃海艇や設網艇の護衛に従事。オスマン帝国軍の野砲部隊に対する作戦にも参加し、5月6日には第2次クリチアの戦いに先立ってオスマン帝国の砲兵部隊を砲撃しました。

5月にマルタで修理を受けた後、6月にはダーダネルスへ復帰。12月2日には、Kavak橋砲撃に参加し、橋を破壊してオスマン帝国の情報伝達を阻害しました。

その後

1916年1月にダーダネルス作戦が終了すると、アガメムノンは東地中海戦隊に所属。1917年8月にはエーゲ海戦隊と改称されました。戦隊は、連合国支配下の島の防衛やサロニカのイギリス陸軍の支援、巡洋戦艦ヤウズ・スルタン・セリムと巡洋艦ミディッリの出撃に対する警戒を任務としていました。

1917年5月5日、サロニカでドイツのツェッペリンLZ85を12ポンド砲で損傷させ、不時着させるという戦果も挙げています。1918年1月20日にヤウズ・スルタン・セリムとミディッリが出撃した際には、アガメムノンは間に合いませんでしたが、2隻の脅威から地中海東部を守るという重要な役割を果たしました。

アガメムノンは1918年にマルタで修理を受け、同年10月30日には、エーゲ海北部のレムノス島に停泊した本艦上でオスマン帝国がムドロス休戦協定に署名しました。

参考文献

Burt, R. A. (1988). British Battleships 1889–1904. Annapolis, Maryland: Naval Institute Press.
Gardiner, Robert; Gray, Randal, eds (1984). Conway's All the World's Fighting Ships: 1906–1922. Annapolis, Maryland: Naval Institute Press.
McBride, Keith (2005). “Lord Nelson and Agamemnon”. In Jordan, John. Warship 2005*. London: Conway.

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