本国艦隊

本国艦隊：イギリス海軍の守護者

本国艦隊は、イギリス海軍における主要艦隊の一つとして、長きに渡りイギリス周辺海域の防衛に重要な役割を果たしました。その歴史は、編成から改編、そして終焉まで、幾多の変遷を辿ります。

第一次世界大戦まで

1902年の発足当初、沿岸警備を主な任務とする艦隊として誕生しました。その後、名称変更や統合を繰り返し、1909年には再び「本国艦隊」の名を冠することとなります。第一次世界大戦の勃発と共に、大西洋艦隊と統合され、グランドフリートを形成。ドイツ帝国海軍大洋[[艦隊]]との間で、ユトランド沖海戦を始めとする数々の海戦を繰り広げ、イギリス海軍の主力としてその威力を示しました。大戦終結後、グランドフリートは解散し、本国艦隊の名称も一時的に消滅しました。

戦間期から第二次世界大戦

戦間期には、大西洋艦隊が「本国艦隊」と改称され、新たな体制が構築されました。この時代の本国艦隊は、ネルソン級戦艦を旗艦とし、複数の戦艦、巡洋[[戦艦]]、航空母艦等で構成される強力な艦隊でした。第二次世界大戦が勃発すると、本国艦隊はヨーロッパ海域における主要戦闘部隊として、ドイツ海軍の進出阻止に努めました。

スカパ・フローは、その戦略的な位置から海軍基地として使用されましたが、1939年にはドイツ潜水艦の奇襲を受け、戦艦ロイヤルオークが撃沈されるという痛ましい出来事が発生。その後、一時的に拠点を移転する事態となりました。

1941年のデンマーク海峡海戦では、ビスマルクとプリンツ・オイゲンの迎撃作戦に参加。この海戦においては、巡洋[[戦艦]]フッドが撃沈されるなど、大きな損害を受けましたが、イギリス海軍の総力を挙げての追跡戦により、ビスマルクを撃沈することに成功しました。

本国艦隊は、作戦区域が明確に定められておらず、必要に応じて艦艇を他の海域へ派遣する柔軟な運用体制をとっていました。北海南部やイギリス海峡の防衛には、別途司令部が設置されるなど、その活動範囲は広範に及びました。また、大西洋における戦いの激化を受け、ウェスタンアプローチ管区も設置されました。大戦末期には、ドイツ戦艦ティルピッツの行動不能化に伴い、本国艦隊の優先度が低下し、主力艦の一部は極東へと送られました。

チャールズ・フォーブス、ジョン・トーヴィー、ブルース・フレーザー、ヘンリー・ムーアといった、名だたる提督たちが本国艦隊司令長官としてその指揮を執りました。

第二次世界大戦後

大戦後は、本国艦隊は本国周辺海域および南北大西洋を担当地域とし、冷戦期にはNATO諸国と連携してソ連からの防衛に当たりました。1967年には地中海艦隊の解散に伴い、その艦艇と人員を編入。担当地域が拡大したことから、本国艦隊は西方艦隊へと改編され、その歴史に幕を閉じました。

本国艦隊は、イギリス海軍の歴史において、その存在感を示し続けた、重要な艦隊であったといえるでしょう。その活動は、イギリスの海上安全保障に大きく貢献しただけでなく、数々の海戦を通して、海軍史に大きな足跡を残しました。

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