アキュラ・CL

アキュラ CL 概要

アキュラブランドのミッドサイズクーペであるCLは、1996年から2004年まで生産されました。この車は、高級感とスポーティなデザインが特徴であり、アキュラ・TLとプラットフォームを共有しています。1996年にはアキュラ・レジェンドのセダンがモデルチェンジし、クーペの設定が消えたことから、CLは実質的な後継車種となりました。さらに、CLはアメリカで初めて設計・生産されたアキュラ車でもあります。

製造はオハイオ州のメアリーズヴィル工場で行われ、デザインはホンダR&Dアメリカが担いました。外観は、1995年に発表されたコンセプトカー「CL-X」を基にしており、このコンセプトは「ネオ・クラシック」というテーマで、中世の甲冑を意識した機能的な美しさが表現されています。

初代 CL（1996-2000年）

1995年、ホンダは北米国際オートショーでアキュラ・CL-Xを発表し、翌年に市販モデルとしてCLが登場しました。この車は、アキュラチャネルの中でインテグラとTLの中間に位置付けられ、TLのクーペバージョンとして売り出されました。

CLは、F22B型とJ30A型のエンジンを搭載しており、1998年モデル以降はF23A型が追加されました。標準装備としてデュアルエアバッグやアンチロック・ブレーキのオプションがあります。また、プレミアムパッケージではレザーシートが選べ、快適性が向上しました。しかし、1997年モデルでは運転席側のパワーウィンドウモーターの不具合が多く、リコールには至らず個別対応がなされていました。

2代目 CL（2000-2004年）

初代CLが生産を終えた後、2001年モデルとして2代目CLが発売されました。外観は先代のスタイルを引き継ぎつつ、既に販売されていたTLと共通のデザイン要素が組み込まれています。

新たに搭載されたJ32A型エンジンは、225PSの出力を持つ標準モデルと、264PSを誇るスポーツモデル「タイプS」の2種類があります。タイプSはブレーキやサスペンションが強化され、専用の17インチアルミホイールが装着されていました。しかし、初期のタイプSはエンジン出力に対し5速ATしか選択肢が無く、購買層に対する魅力が不足していました。これを受け、2003年にはスポーツ志向の6速MT仕様が用意されましたが、このバージョンは非常に限定的にしか流通しませんでした。

2002年には外装のマイナーチェンジが行われ、ヘッドライトやグリルデザインが若干変更されましたが、最終的に2004年にCLは生産終了に至ります。

販売台数は約31,000台であり、アコードクーペがCLの実質的な後継として位置づけられました。アキュラブランドでの直接の後継モデルは存在せず、CLの歴史はひとつの時代を締めくくるものでした。

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