アキュラ・MDX

MDX（エムディーエックス）

MDXは本田技研工業が製造し、アキュラおよびホンダブランドで販売されているスポーツユーティリティビークル（SUV）です。その初代モデルは2001年に登場し、以降も進化を遂げています。最初のモデルは、ホンダの北米市場向けに開発され、7人乗りで初の3列シートを搭載しています。

初代 YD1型（2001-2006年）

初代MDXは、北米仕様のオデッセイをベースにしたモノコックボディのSUVであり、Honda R&D Americasで企画・開発されました。市場に投入された背景として、大人気のレクサス・RXに対応する高級SUVとして位置付けられました。デザインは動物のサイをイメージしたショートノーズのフォルムが特徴的で、^「サウスウエスト」のコンセプトからインスピレーションを受けています。内装は「サンタフェスタイル」をテーマとしており、細部にわたってこだわりが見られます。

生産はカナダのホンダ工場で行われ、プラットフォームも独自に改良されました。3列目シートは大人も座れるほどのヘッドクリアランスが確保されていましたが、足元が窮屈であるとの声もありました。それでも、このシートはユーティリティオブザイヤーを受賞するほどの注目度を誇ります。

駆動方式には、VTM-4と呼ばれる新型4WDシステムが導入され、5速ATと組み合わせられました。エンジンは高出力化が施されたV型6気筒のJ35A型を搭載。2003年にはビッグマイナーチェンジが施され、エンジンの出力向上や燃費改善が図られました。

2代目 YD2型（2006-2013年）

2006年に発表された2代目MDXは、プラットフォームを全面的に改良し、さらに安全性やエンジン性能を向上させました。新たに搭載された3.7L V型6気筒エンジンは、よりパワフルで燃費も改善されています。さらに、エンターテイメントやテクノロジーオプションが追加され、ドライバーと乗客の快適さに配慮がなされました。アクティブダンパーシステムなどの新機能も搭載され、ドライビングの楽しさが増しました。

3代目 YD3/4型（2013-2020年）

2013年に登場した3代目MDXではFFモデルのラインナップが新たに加わり、プラットフォームも「3-Bone」構造を採用。デザインは「Aero Sculpture」をテーマにし、空力性能と優れた室内空間の確保に成功しました。搭載された3.5L V6エンジンは、低燃費と優れた加速性能を両立させています。

インテリアはより広く、利便性が向上しており、先進的な安全装置や便利な機能が魅力です。新モデルではより多くのテクノロジーパッケージが用意され、選択肢も豊富です。

4代目 YD8/9/YE1型（2022年）

2022年モデルとなるMDXは、より高級感あふれたデザインが特徴で、先進的なインフォテインメントシステムや新型のパワートレインが搭載されています。さらに、エクステリアやインテリアが再設計され、さらなる進化を遂げています。特にType-Sトリムでは、強化されたパフォーマンスが体感できます。

日本市場

日本国内では、初代モデルが2003年から販売されたものの、以降は販売が行われていませんでしたが、2023年に新型MDXが並行輸入の形で販売されることが発表されています。これにより、日本市場に再びMDXが登場することとなりました。

車名の由来

MDXは「Multi-Dimension-X」の略で、多機能性を持ちつつ、新たな可能性を秘めたSUVを意味しています。

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