アクセスジャーナル

アクセスジャーナル：反権力ニュースサイトの歩みと法的争訟

アクセスジャーナルは、東京都に本社を置く株式会社アクセスジャーナルが運営する日本のニュースサイトです。同サイトは、政界、官界、財界における癒着を徹底的に追及する姿勢を明確に示しており、大手メディアが取り上げないような情報を積極的に発信することで知られています。しかし、その活動は幾度となく法的紛争に発展し、サイト運営に大きな影を落としています。

強者への挑戦とジャーナリズム

アクセスジャーナルの創設者である山岡俊介氏は、以前は別のニュースサイトの編集長を務めていましたが、編集方針の相違などを理由に退職。その後、独立系ニュースサイト「ストレイドッグ」を立ち上げ、後に「アクセスジャーナル」へと名称変更しました。

同サイトは、日本のマスコミ全体を批判し、「忖度」による情報操作や権力への迎合を問題視。自らを「マスコミの末端」と位置づけつつ、大手メディアが報じない、あるいは報じにくい情報、特に弱者の立場に立った報道を目指していると主張しています。「強い者イジメ」を自らのモットーとして掲げ、権力や既得権益への批判を積極的に行っています。

繰り返される法的紛争と記事削除

しかし、アクセスジャーナルの活動は、度々法的措置の対象となっています。これまで、複数の企業や個人から名誉毀損やプライバシー侵害などを理由に訴訟を起こされ、記事削除や謝罪、損害賠償の支払いを命じられた事例が複数あります。

代表的な例としては、学校法人や弁護士、公認会計士などを相手取った訴訟が挙げられます。これらの訴訟では、アクセスジャーナルが掲載した記事の内容が、事実と異なる、あるいは不適切な表現が含まれているとして、裁判所から記事削除の判決が下されました。中には、脅迫を伴って記事が削除された疑いがあるケースもあり、その活動の背景には、権力者や有力者からの強い圧力も存在すると考えられます。

2020年には、恐喝罪で起訴された事件もありました。アクセスジャーナルの運営者と関係者が、記事掲載をやめる見返りに現金を受け取ったとして起訴されましたが、最終的には無罪判決が確定しました。この事件は、アクセスジャーナルの活動におけるリスクと、法的境界線のあいまいさを示す象徴的な出来事と言えるでしょう。

2023年には、公認会計士を相手取った名誉毀損訴訟で、アクセスジャーナルと山岡氏が敗訴。謝罪文の掲載と損害賠償の支払いが命じられました。裁判所の判断は、記事の内容に真実性や裏付けがなく、社会的評価を低下させるものであったことを明確に指摘しています。

2024年には、東証グロース上場企業に関する記事を削除の上、謝罪文を掲載しました。このケースでは、山岡氏が情報提供者の元暴力団幹部に騙されて虚偽記事を作成したことが判明し、情報提供者側の逮捕を機に明らかになりました。

アクセスジャーナルの活動が示すもの

アクセスジャーナルの活動は、日本のジャーナリズムの現状、特に大手メディアにおける権力への忖度や情報操作の問題を浮き彫りにしています。一方で、その活動は、法的リスクや倫理的な問題を伴うものであり、情報発信における責任と限界を改めて考えさせるものです。アクセスジャーナルの活動は、ジャーナリズムのあり方や表現の自由、そして権力とメディアの関係性について、多くの議論を呼ぶでしょう。今後のアクセスジャーナルの動向、そして、その活動が社会に及ぼす影響は、引き続き注視していく必要があると言えるでしょう。

脚注

（各事例の詳細な日付や判決内容については、裁判記録などを参照してください）

関連項目

田邊勝己
白倉康夫
ジャーナリスト宅盗聴事件
安倍晋三宅火炎瓶投擲事件

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