アクソナ川の戦い

アクソナ川の戦い

アクソナ川の戦い（アクソナがわのたたかい）は、紀元前57年に起こったガリア戦争の重要な戦闘の一つである。この戦いは、ベルガエ系スエッシオネス族の指導者ガルバが率いるベルガエ人連合軍と、ガリア属州の総督であるガイウス・ユリウス・カエサルの指揮するローマ軍との間で展開された。

戦闘の背景

サビス川の戦いによってゲルマン民族の脅威が去った後、ガリアにおいてはベルガエ人がローマの支配に対抗しようとする動きが生じていた。カエサルはこの状況を見て、ベルガエ人の反抗をローマ支配を強化するための口実として利用しようと考えた。彼はウェソンティオに駐屯していたティトゥス・ラビエヌスに、ベルガエ人の動きに関する情報を受けて、対応策を指示した。

戦闘の始まり

ベルガエの連合軍は、ベロウァッキ族、スエッシオネス族、ネルウィ族、アトレバテス族など、数多くの部族が結集して形成されたもので、総兵力は30万に達するとされている。これらの勢力は、ガルバを指導者として定め、レミ族がローマに帰順したことへの報復を目指してアクソナ川沿いのレミ族の都市ビブラクスを攻撃し始めた。

カエサルの応対

カエサルはビブラクスへの援軍として騎兵隊や弓兵隊を送り、自身はアクソナ川の流れを背にして小高い丘に陣を築いた。ベルガエ人たちは、アクソナ川の浅瀬を渡り、ローマ軍の供給路を切断しようと試みたが、カエサルは巧みに指揮をとり、ベルガエ人を撃退した。

戦闘の展開

その後、カエサルはハエドゥイ族に指示を出し、ベルガエ諸部族の集落を襲撃するよう命じた。これを知ったベルガエ人たちは、自らの土俵に退却を始めたが、退却する途中でローマ軍に追撃され、大混乱を引き起こすこととなった。結果、多くのベルガエ人が壊滅的な被害を被った。

降伏と影響

ローマ軍は、アクソナ川での勝利を受けてスエッシオネス族の主邑ノウィオドゥムへ攻撃を仕掛けた。スエッシオネス族は強固な防御を持っていたが、最終的には降伏を余儀なくされ、その指導者ガルバは息子二人を人質としてローマに差し出した。さらに、ハエドゥイ族による攻撃を受けたベロウァッキ族も、ローマに人質を供出することで降伏を認められた。

降伏したのはスエッシオネス族だけでなく、他の多くのベルガエ部族も同様であった。しかし、ネルウィ族やアトレバテス族の一部は依然として抵抗を続けており、カエサルはそれに対処するために軍を進め、ネルウィ族の領域へと向かうこととなった。

まとめ

アクソナ川の戦いは、ローマのガリア支配を深化させる重要な一歩となった。この戦争を通じて、カエサルはガリアの支配をさらに強化し、ローマの影響力を拡大することに成功した。

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