アクレミア

アクレミア（Aklemia, Aclemia）は、旧約聖書外典の一つである『アダムとイヴとサタンの対立』に登場する、アダムとイヴの娘です。アクリア（Aklia）という表記も見られます。

生まれと家族構成

アクレミアは、アベルの双子の姉妹として生まれました。彼女の兄弟には、兄カインと姉ルルワがいました。『ジューイッシュ・エンサイクロペディア』によれば、カインとルルワが楽園内で生まれたのに対し、アクレミアとアベルは楽園の外で誕生したとされています。

カインとの結婚計画と悲劇

当初、アダムの提案により、アクレミアはカインと結婚する予定でした。しかし、カインは姉であるルルワとの結婚を強く望み、そのために弟のアベルを殺害するという悲劇を起こしてしまいます。カインはその後、ルルワと共にノドの地へと去りました。

セトとの結婚

双子の兄弟と兄を失ったアクレミアは、アダムの命により、弟であるセトと結婚することになります。この時、セトは15歳でした。アベルが亡くなったのはアクレミアが15歳半の時であり、その後、アダムとイヴは7年間関係を持たなかったため、セトとアクレミアの間には約22歳半の年齢差があったとされています。結婚から5年後、アクレミアはセトとの間にエノスを産みました。

セツ派におけるアクレミア

ソロモン・シーザー・マランの研究によると、セトと結婚したことから、セツ派の間ではアクレミアは「オライア（Ωραια）」という名で呼ばれることもあるそうです。

アクレミアの生涯とその後

アクレミアの生涯は、兄弟たちの間で起こった争いや、複雑な結婚という運命に翻弄されたものでした。しかし、セトとの結婚とエノスの誕生により、人類の歴史において重要な役割を果たすことになったと考えられます。

参考文献

Malan, Solomon Caesar (1882). The Book of Adam and Eve, also called the conflict of Adam and Eve with Satan. Williams and Norgate