アグネスワールド

アグネスワールドの概要

アグネスワールド（欧字名:Agnes World）は、1995年4月28日に生まれ、2012年8月20日に永眠した日本の競走馬であり、種牡馬です。アメリカで生まれ、日本で調教を受けたこの馬は、日本の競馬界において特別な存在とされています。アグネスワールドは、日本調教馬として初めて海外で2か国のG1レースを勝利し、世界の短距離王として名を馳せました。また、イギリスの重賞レースを制した最初の日本調教馬でもあります。

戦績のハイライト

アグネスワールドの競走成績は次のようになります。

2歳 - 3歳（1997 - 1998年）

1997年、函館競馬場で新馬戦にてデビューを果たし、勝利。その後の函館3歳ステークスではレコードタイムで制覇しましたが、事故により骨折。その後の朝日杯3歳ステークスではグラスワンダーの4着に終わりましたが、全日本3歳優駿では優勝し、再び注目を浴びました。しかし、その後の休養が長引くことになります。

4歳（1999年）

ようやく復帰したアグネスワールドは、ガーネットステークスで6着に終わります。以降、いくつかの短距離レースで惜しい結果が続きましたが、北九州短距離ステークスで記録的なタイムを出し、再び状態が上向きます。イギリス遠征ではアベイ・ド・ロンシャン賞でG1勝利を成し遂げ、そのスピードを証明しました。帰国後はCBC賞、スプリンターズステークスでのレースにも挑戦しましたが、2着に終わっています。

5歳（2000年）

高松宮記念に出走し3着となるも、イギリスでのキングズスタンドステークスで2着、さらにジュライカップにて優勝し、ここでの勝利をもって国際G1競走を2勝することになります。帰国後のスプリンターズステークスで再び惜しい結果になり、結局その年のブリーダーズカップを最後に引退を決意しました。

引退後の活動

アグネスワールドは引退後、社台スタリオンステーションで種牡馬としての運命を歩みましたが、受胎率が低いという課題が残りました。2009年に種牡馬を引退し、以降は新田牧場で落ち着いた余生を送りましたが、2012年に腰痛の悪化により、安楽死の措置が取られました。

特徴と評価

アグネスワールドは、高速なスピード能力を誇る一方で、コーナーワークが得意ではなく、国際G1勝利の2回はいずれも直線レースでのものです。森秀行調教師は、その身体能力を「桁違いのエンジン」と表現しつつ、一方で気性面の問題も指摘しました。この影響で、距離が短い方が得意で、理想的な距離は1000メートルとのことです。

代表産駒

アグネスワールドの代表産駒には、オーストラリアで成功を収めたWonderful Worldや、国内での活躍が期待されたアグネスジェダイなどがいます。彼の血は後世に受け継がれていますが、国内の後継馬はまだ名乗りを上げていない状況です。アグネスワールドは、日本競馬史において忘れられない存在として記憶され続けるでしょう。

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