アグノー

アグノー：アルザスの歴史と自然が息づく都市

アグノー（Haguenau）は、フランスのグラン・テスト地域圏、バ＝ラン県に位置するコミューンです。ストラスブールの北約35kmに位置し、アルザス地方で5番目に大きなコミューンであり、県内では2番目の規模を誇ります。広大なコミューン域内には、アグノーの森が広がっています。

地名の由来

アグノーという地名は、Haag（アレマン語で「木」を意味する）とAu（川辺の牧草地を意味する）という言葉から派生しており、「木立のある川辺の牧草地」という意味を持っています。「-au」で終わる地名は、ライン川両岸でよく見られる地名です。元々はドイツ語式のHagenauという綴りでしたが、フランス語の正書法に従って「アジュノー」と読まれるのを防ぐために、Uの字が挿入されました。

歴史

アグノーの町は、神聖ローマ皇帝フリードリヒ1世の父であるシュヴァーベン大公フリードリヒ2世によって、モデル川（ライン川の支流）の島に建設されました。1164年、フリードリヒ1世はアグノーに特権を与え、お気に入りの地として住居を建てました。その建物は、現在も彼の名を冠して残っています。

1262年からは帝国自由都市となり、1354年8月に始まった都市同盟、十都市同盟の構成都市として重要な役割を果たしました。しかし、1648年のミュンスターの和議によってフランスに併合され、自由都市の地位を失いました。アグノーはフランスへの併合を望まず、ドイツの自由都市であり続けることを望んでいましたが、ルイ14世は十都市同盟を武力で従わせることを決意し、1677年にモンクラール将軍率いるフランス軍によって、神聖ローマ帝国が建てた城を含むアグノーの町は破壊されました。1680年、アグノーは十都市同盟の都市とともに、ついにフランスに占領されました。

20世紀に入ると、1945年初頭には、ドイツ軍による再攻撃であるノルトヴィント作戦の舞台となりました。連合国による解放後、アグノーには対独協力者の容疑をかけられた女性のみを抑留する収容所が設けられました。

姉妹都市

アグノーは、ドイツのランダウ・イン・デア・プファルツと姉妹都市提携を結んでいます。

著名な出身者

アグノーは、多くの著名人を輩出しています。その中でも特に有名なのは、以下の2名です。

セバスチャン・ローブ：世界ラリー選手権（WRC）で9度のタイトルを獲得した伝説的なレーシングドライバー。
セルダル・ギュルレル：トルコ出身のサッカー選手。

アグノーは、豊かな自然、長い歴史、そして多様な文化が融合した魅力的な都市です。アルザス地方を訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。

もう一度検索