アサイラム・レコード

アサイラム・レコードの歴史

アサイラム・レコードは、1971年にデヴィッド・ゲフィンとエリオット・ロバーツによって設立されたアメリカのレコード会社です。設立の背景には、ゲフィンがマネージメントしていたジャクソン・ブラウンがなかなかレコード会社と契約できなかったことがあります。アトランティック・レコードのアーメット・アーティガンにブラウンを勧めた際、「自分でレコード会社を作ればいい」と言われたことがきっかけとなり、ゲフィンは会社設立を決意しました。

最初に声をかけたのは、長年マネージャーを務めていたローラ・ニーロでしたが、ニーロはゲフィンの知らないところでコロムビア・レコードと再契約してしまいます。この出来事にゲフィンは大きなショックを受けたと伝えられています。

1971年9月15日、アサイラム・レコードから最初のアルバムとしてジュディ・シルの『Judee Sill』がリリースされました。同年10月には、グレアム・ナッシュがプロデュースした「ジーザス・ワズ・ア・クロス・メイカー」がシングルカットされています。

1973年には、エレクトラ・レコードと合併し、エレクトラ／アサイラムと社名が変更されました。しかし、その後もエレクトラとアサイラムは別々の事業部として、ニューヨークとロサンゼルスでそれぞれレーベル活動を続けていました。

アサイラムは、カントリーロックやシンガーソングライター系のミュージシャンを数多く抱え、人気を博しました。しかし、これらの音楽の流行が衰退した1980年代には活動が停滞し、1989年にレーベルとしての活動を終了しました。

アサイラムの名称は、その後カントリーレーベルとして使用された時期もありましたが、現在はワーナー・ミュージック・グループ内の独立系レーベルを支援する部署の名称となっています。

アサイラム・レコードの沿革

1971年：デヴィッド・ゲフィンがアトランティック・レコードの出資を得てロサンゼルスに設立。
1973年：ジャック・ホルツマンの引退に伴いエレクトラ・レコードと合併、社名がエレクトラ／アサイラムとなる。新会社の社長はデヴィッド・ゲフィン。
1975年：デヴィッド・ゲフィンがワーナー・ブラザースに転出。後任の社長はジョー・スミス。
1983年：ジョー・スミスが社長を退任。後任はボブ・クラスノウ。
1989年：社内組織の再編によりレーベル名がエレクトラに統一され、社名もエレクトラ・エンタテインメントに変更。
1994年：ボブ・クラスノウが社長を退任。後任はシルヴィア・ローン。
2004年：エレクトラ・エンタテインメントがアトランティック・レコードに併合される。

アサイラム・レコードの主なアーティスト

アサイラム・レコードは、数多くの著名なアーティストを輩出しました。以下はその一部です。

ジャクソン・ブラウン
イーグルス
ジョー・ウォルシュ
ジョン・デヴィッド・サウザー
ジョニ・ミッチェル
リンダ・ロンシュタット
ジュディ・シル
トム・ウェイツ
ボブ・ディラン
ネッド・ドヒニー
ウォーレン・ジヴォン
リッチー・フューレイ
クリス・ヒルマン

アサイラム・レコードの邦楽アーティスト

1970年代には、アサイラム・レコードの配給権を保持していたワーナー・パイオニアから、以下の邦楽アーティストの作品がリリースされました。

泉谷しげる
伊藤銀次
カーティス・クリーク・バンド
時任三郎



アサイラム・レコードは、1970年代の音楽シーンにおいて重要な役割を果たしたレコード会社の一つです。カントリーロックやシンガーソングライターといったジャンルを中心に、数多くの名盤を世に送り出しました。

参考文献

アサイラムレコードとその時代（音楽出版社）ISBN 4-86171-015-4

関連項目

エレクトラ・レコード
ワーナー・ミュージック・グループ
デヴィッド・ゲフィン

外部リンク

* 公式サイト

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