アサガミ

アサガミ株式会社

アサガミ株式会社（ASAGAMI CORPORATION.）は、東京都千代田区に本社を構える日本の主要な物流事業者の一つです。1918年に合資会社浅上商店としてその歩みを始め、1948年11月には後の東京急行電鉄、現在の東急からの出資を得て、双栄運輸株式会社として新たに設立されました。その後、商号や組織形態を変更しながら事業を拡大し、東京証券取引所のスタンダード市場に上場しています。

事業概要

同社の事業の中核をなすのは、多岐にわたる物流サービスです。具体的には、倉庫の管理・運営、港湾での荷役作業、海上輸送に関わるフォワーディング業務、全国を結ぶ陸上輸送、そして国際航空貨物の取り扱い（エア・フレイト・フォワーダー）を手がけています。これらの幅広いサービスを組み合わせることで、国内外における顧客の多様な物流ニーズに対応しています。

また、物流事業に加えて、関連分野への展開も行っています。特に、アサガミプレスセンターやマイプリントといった印刷関連事業を手がける企業を子会社として傘下に収めている点も特徴です。これにより、物流と印刷という異なる分野でシナジーを生み出しています。

主要な取引先としては、日本の主要鉄鋼メーカーであるJFEスチールとは、長年にわたり緊密な取引関係を築いており、物流面で同社の事業を支えています。

沿革

アサガミ株式会社の歴史は、1918年に合資会社浅上商店として創業したことに遡ります。第二次世界大戦後の1948年11月には、東京急行電鉄の出資を得て双栄運輸株式会社が設立され、これが現在の会社の源流の一つとなります。その後、1950年3月には浅上商店の商号が浅上倉庫株式会社に変更され、翌1951年1月には双栄運輸が東京航運株式会社へと商号を変更しました。

物流業者としての地位を固める中で、1953年3月には東京航運が川崎製鉄（現在のJFEスチール）の特命業者となり、続く1959年12月には旭硝子（現在のAGC）の特命業者となるなど、主要産業との結びつきを強化しました。1954年12月には、東京航運が浅上倉庫を吸収合併し、同時に商号を浅上航運倉庫株式会社に変更するなど、組織再編も進められました。

1961年10月には東京証券取引所の2部市場に上場を果たし、企業としての信用力を高めました。しかし、資本関係には変化があり、1979年6月には東京急行電鉄が保有していた全株式を子会社である大崎建運株式会社（後のオーテック株式会社）へ譲渡したことで、東急グループとの資本関係は解消されました。

事業内容や社会情勢の変化に対応するため、1989年4月には商号を現在の「アサガミ株式会社」へと変更しました。その後も、1995年1月には株式会社エアロ航空、2001年10月には株式会社トクマプレスセンター（後にアサガミプレスセンター株式会社へ商号変更）、2007年9月には株式会社マイプリントを子会社化するなど、M&Aを通じて事業領域を拡大・多角化しています。また、1999年12月にはオーテックを吸収合併しています。

その他の活動

物流事業だけでなく、企業としての社会的なプレゼンスを高める活動にも積極的に取り組んでいます。2021年には、権威あるスポーツイベントである第97回東京箱根間往復大学駅伝競走において、國學院大學のユニホームスポンサーを務めるなど、広報活動にも力を入れています。また、2022年9月には、広島県坂町の平成ケ浜中央公園の命名権を取得し、「アサガミベイサイドパーク」と名付けるなど、地域社会への貢献やブランドイメージ向上にも取り組んでいます。

主な子会社

アサガミ株式会社は、グループ企業を通じて幅広い事業を展開しています。

浅上重機作業株式会社
アサガミ・キャリア・クリエイト株式会社
株式会社エアロ航空
港運輸工業株式会社
ホワイト・トランスポート株式会社
アサガミプレスセンター株式会社
アサガミプレスいばらき株式会社
マイプリント株式会社
* アサガミ物流株式会社

これらの子会社群が、物流および関連事業におけるアサガミグループ全体のサービス提供能力を支えています。

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