アジアボクシング評議会

アジアボクシング評議会 (ABCO) の概要

アジアボクシング評議会（ABCO: Asian Boxing Council）は、アジア地域全体のプロボクシングを統括する団体です。1985年に設立され、その本部はバンコクに位置しています。現在、ゴーヴィット・パックディーブームが会長を務めており、20ヵ国以上がこの組織に加盟しています。一般的には「WBCアジア」としても知られ、世界ボクシング評議会（WBC）の傘下組織として機能しています。

日本との関係

ABCOはWBC傘下の組織でありますが、日本のボクシングコミッション（JBC）はABCOには加盟していません。その代わりに、JBCはWBC傘下の東洋太平洋ボクシング連盟（OPBF）に加盟しています。にもかかわらず、JBCの承認を受けた上でABCO王座を獲得するために海外で試合に臨む日本人選手も多くいます。過去に臼井知史や仲田典由、畠野幸雄らが挑戦し、クレイジー・キムが王座を獲得するなど、日本とABCOの間には緊密な関係が存在します。

ABCOではさまざまな階級に対する王座が認定されており、日本人選手も数々の王座に挑んできました。2009年にはABCO女子王座も認定され、その年の12月には水谷智佳がスーパーフェザー級で王座を獲得しました。さらに、2011年には松本章宏がスーパーバンタム級のタイトルを持つようになり、2016年にはコブラ諏訪がスーパーウェルター級の王座に就きました。

ABCOの歴史と現状

ABCOは1985年の設立以来、タイのサハソンポップ・シーソムウォン氏を代表するという形で始まりました。その後、アジア全土でボクシング興行を行うために、2000年には現会長のゴーヴィット・パックディーブーム氏が中心となって活動を強化しました。ABCOによる興行活動は、アジアの多くの国々で進められていますが、ボクシングとムエタイは異なる競技であり、ABCOはあくまでボクシングに特化した団体です。

ABCOは選手権試合や、王座の防衛記録なども残しており、特にチョンラターン・ピリヤピンヨーのABCOフェザー級王座の防衛回数は27度にのぼります。これまでに数多くの世界王者も輩出しており、日本人選手の活動があったことで一層国際的な交流も進んでいると言えます。

ABCOとその未来

現在、ABCOは正規王座や暫定王座、シルバー王座等の位置付けも確立しており、さまざまなレベルの試合が行われています。また、ABCO王者とOPBF王者の対抗戦によって新たな王者が誕生する可能性もありますが、これには加盟国の協力が必要です。将来的には「WBC全アジア王座決定戦」などの構想も進められていますが、多くの課題も抱えているため、実現に向けては時間を要するでしょう。

ABCOは今後もアジア地域のボクシング文化の発展に寄与し続けることが期待されています。特に日本とのさらなる交流や試合の機会が増えれば、アジア全体のボクシングがより活性化することでしょう。

もう一度検索