アジアンクィア映画祭

アジアンクィア映画祭：アジアのLGBTQ+映画を届けた歴史

2007年から2013年にかけて開催されたアジアンクィア映画祭（AQFF）は、アジアにおけるLGBTQ+映画作品に焦点を当てた貴重な映画祭でした。アジア各国の多様な視点と表現力豊かな作品を紹介することで、LGBTQ+の権利や多様性に対する理解を深める役割を果たしました。

映画祭の歩み

第1回は2007年、東京と福岡で開催。当初は「アジアン・クイア・フィルム＆ビデオ・フェスティバル・イン・ジャパン」という名称でした。カナダ、アメリカ、中国、日本、フィリピン、インドネシア、韓国、台湾など、多様な国籍の作品が上映され、その多様性に富んだプログラムは大きな注目を集めました。

2009年には名称を「アジアンクィア映画祭」に変更。東京のKINEATTICにて第2回が開催されました。その後、2011年には東北地方太平洋沖地震の影響で開催時期が延期され、シネマート六本木にて第3回が開催されました。

2013年に開催された第4回を最後に、アジアンクィア映画祭は幕を閉じました。わずか7年間の活動期間ではありましたが、アジアのLGBTQ+映画シーンに大きな足跡を残しました。

上映作品：多様なアジアの物語

アジアンクィア映画祭では、アジア各国からの多様な作品が上映されました。ロマンチックコメディから社会派ドラマまで、幅広いジャンルと表現手法の作品が、観客に多様なLGBTQ+の生き様や社会問題を提示しました。

第1回（2007年）上映作品例

イーサン・マオ (カナダ、アメリカ): LGBTQ+の経験を独特の視点で描く作品。
タンタン (中国): 中国社会におけるLGBTQ+の人々の葛藤を描いた作品。
マキシモは花ざかり (フィリピン): フィリピンを舞台にした、青春と恋の物語。
ゴー!ゴー!Gボーイズ! (台湾): 台湾の若者たちの恋愛模様を描いた作品。

第2回（2009年）上映作品例

僕は小さく恋をする (香港): 香港を舞台にした繊細な恋愛物語。
あかね色のケープタウン (南アフリカ共和国、イギリス): 南アフリカの美しい風景と人間模様を描いた作品。
砂漠の少女たち (イスラエル): イスラエルの砂漠を舞台にした、女性同士の友情と葛藤を描いた作品。

第3回（2011年）上映作品例

パンダキャンディ (中国): 中国の独特な文化とLGBTQ+の生き様を融合させた作品。
ジェリーフィッシュの恋 (タイ): タイの若者たちの恋愛模様を描いた作品。
チョンノの奇跡 (韓国): 韓国の社会問題とLGBTQ+の生き様を絡めた作品。

第4回（2013年）上映作品例

愛なんていらない (タイ): タイのLGBTQ+の人々のリアルな生活を描いた作品。
ジェリーフィッシュの恋2 (タイ): タイの若者たちの恋愛模様を描いた続編作品。
* 世界で一番オシャレな刑務所 (シンガポール、フィリピン、イギリス): 独創的な設定とユーモアあふれる作品。

これらの作品は、いずれもアジアにおけるLGBTQ+の多様性を示す貴重な資料となっています。

アジアンクィア映画祭の意義

アジアンクィア映画祭は、アジアにおけるLGBTQ+映画の普及と理解促進に貢献しました。上映作品を通じて、アジアのLGBTQ+コミュニティの多様な文化や経験を広く知らしめ、社会における認知度向上に大きく寄与しました。これらの活動は、現在もアジアのLGBTQ+映画シーンを支える重要な一歩となりました。また、他のLGBTQ+映画祭とのつながりも深く、日本のLGBTQ+映画文化の発展にも貢献したと言えるでしょう。

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