アジア卓球連合

アジア卓球連合（Asia Table Tennis Union、ATTU）は、1972年5月7日に設立されたアジアの卓球競技を統括する団体です。1975年には国際卓球連盟（ITTF）に承認され、アジア地域における卓球の普及と発展に重要な役割を果たしています。

設立の背景

ATTU設立の背景には、国共内戦後の政治的な対立が深く関わっています。当時、中華人民共和国と中華民国（台湾）の間で、スポーツを含む様々な分野で対立が続いていました。1960年代には、中華民国はATTUに加盟していましたが、ITTFには加盟していませんでした。一方、中華人民共和国はATTFには加盟していませんでしたが、ITTFには加盟していました。

1968年、ITTFは「ITTFに加盟している国のみが大陸競技連盟に加盟できる」という方針を決定しました。しかし、中華民国は、国際オリンピック委員会（IOC）が「中華民国」という名称を承認していたにもかかわらず、ITTFが「中国」としての承認を拒否していたため、ITTFに加盟することができませんでした。

1971年2月、ATTUの代表者たちは、ITTFがアジアの組織に条件を押し付ける権限はないと考え、1957年以来継続していた中華民国の加盟を維持することを決定しました。しかし、この決定を受けて、当時のATTU会長であった後藤鉀二が辞任しました。日本卓球協会の会長でもあった後藤は、その後、日本がATTUから脱退し、中華人民共和国と共に新たな組織を設立することを約束しました。

発足と承認

1972年5月7日、北京での会議を経て、カンボジア、中国、北朝鮮、イラン、イラク、日本、クウェート、レバノン、マレーシア、ネパール、パキスタン、パレスチナ、シンガポール、スリランカ、シリア、ベトナムの16の協会によって、ATTUが正式に設立されました。その後、1975年にカルカッタで開催されたITTFの第33回会議において、ATTUは正式に承認されました。

現在の加盟国・地域

現在、ATTUには44の国と地域が加盟しており、それらは5つの地域グループに分かれています（2012年3月現在）。また、オーストラリアやニュージーランドのように、オセアニア卓球連盟（OTTF）とITTFにも加盟している賛同加盟国も存在します。一方で、東ティモールのように、ATTUには加盟していませんがITTFには加盟している国もあります。

主な競技会

ATTUは、アジア卓球選手権などの主要な競技会を主催し、アジア地域における卓球のレベル向上に貢献しています。これらの大会は、ATTU加盟国だけでなく、他の組織によっても開催されています。

関連事項

国際卓球連盟（ITTF）

外部リンク

アジア卓球連合公式サイト

もう一度検索