アジア太平洋地域宇宙機関会議

アジア太平洋地域宇宙機関会議（APRSAF）とは

アジア太平洋地域宇宙機関会議（Asia-Pacific Regional Space Agency Forum：APRSAF）は、アジア太平洋地域における宇宙機関の国際会議です。1993年に設立され、本部を東京に置き、日本の宇宙航空研究開発機構（JAXA）が主導しています。

概要

APRSAFは、アジア太平洋地域における宇宙利用の促進を主な目的としています。この会議には、地域の宇宙機関だけでなく、宇宙利用のニーズを持つ行政機関や国際機関も参加しており、各国の宇宙活動に関する情報交換や、具体的な協力活動の構築に向けた議論が行われています。重要な点として、APRSAFは中華人民共和国が主導するアジア太平洋宇宙協力機構（APSCO）とは異なる枠組みで運営されています。

歴史

APRSAFの設立は、1992年のアジア太平洋国際宇宙年会議（APIC）での日本からの開催提案がきっかけでした。これを受け、文部科学省とJAXAが共催する形で、ほぼ毎年開催されています。

参加国・地域と団体

2013年3月時点で、APRSAFには388の機関、40の国と地域、そして26の国際機関が参加しています。参加国と地域は多岐にわたり、オーストラリア、バングラデシュ、中国、インド、韓国、日本などアジア太平洋地域だけでなく、カナダやフランス、ドイツ、アメリカ合衆国など、その他の地域の国々も含まれています。国際機関としては、アジア開発銀行（ADB）、欧州宇宙機関（ESA）、国際連合宇宙局（UNOOSA）などが参加しています。

協力プロジェクト

APRSAFは、地球観測衛星データの活用や宇宙教育を通じた国際協力にも力を入れています。災害管理や資源管理への貢献、そして青少年の宇宙への関心を高める活動を、アジア太平洋地域の国々と協力して実施しています。

分科会

APRSAFの活動は、以下の4つの分科会によって構成されています。

地球観測分科会：地球観測データの利用に関する議論や協力を行います。
通信衛星利用分科会：通信衛星の利用促進に関する議論や協力を行います。
宇宙環境利用分科会：宇宙環境の利用に関する議論や協力を行います。
宇宙教育普及分科会：宇宙教育の普及に関する議論や協力を行います。

イニシアチブ

APRSAFは、以下の4つのイニシアチブを通じて具体的な協力活動を推進しています。

センチネル・アジア：災害監視を目的とし、地球観測衛星データを用いて災害関連情報を共有し、被害軽減を目指します。
SAFE：気候変動に関する地球環境観測を行い、リモートセンシング技術で影響軽減と適応策の研究を行います。
Climate R3：衛星データの供給者と利用者の連携を強化し、気候変動政策決定における衛星データ活用を促進します。
Kibo-ABC：国際宇宙ステーションの「きぼう」利用を推進します。

人材育成

APRSAFは、宇宙技術分野での人材育成にも力を入れています。

STAR計画：衛星開発分野の人材育成と小型実験衛星開発を行いました（2008-2012）。
UNIFORM：STAR計画を継承し、衛星開発を通じた人材育成と、多くの大学が利用できる超小型衛星バス・運用システムの開発を行っています。

会議

APRSAFは、定期的に会議を開催し、宇宙に関する情報交換や協力体制の構築を促進しています。これらの会議は、参加国・地域の宇宙機関、行政機関、国際機関にとって、非常に重要な交流の場となっています。

関連事項

アジア太平洋宇宙協力機構
アジアにおける宇宙開発

外部リンク

アジア太平洋地域宇宙機関会議公式ウェブサイト（英語）
アジア太平洋地域宇宙機関会議公式ウェブサイト（日本語）
* アジア太平洋地域宇宙機関会議『 アジア太平洋地域宇宙機関会議』パンフレット（日本語）

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