アジージーヤ

アジージーヤ：リビアの都市

アジージーヤ（アラビア語: العزيزية、英: ‘Aziziya）は、リビア北西部に位置する都市で、ジファーラ県の県都です。トリポリの南西41kmに位置し、サヘル・ジェファーレ高原の交易の要衝として機能しています。沿岸部からナフサ山地や南のフェザーンへ向かう交易路が交わる地点であり、重要な役割を果たしてきました。2006年の人口は約2.3万人です。

かつての最高気温記録

アジージーヤは、1922年9月13日に記録された57.8℃という、かつての地球上の最高気温で知られていました。しかし、この記録にはいくつかの疑義がもたれています。

記録への疑義

1. 観測所の移転: 元々アジージーヤ市街にあった観測所が、1919年に丘の頂上にある砦の黒いターマックに移転したことが問題視されています。黒いターマックは日光を多く吸収し、周囲の空気を人為的に熱する可能性があり、これが高い気温の記録に影響を与えたと考えられます。1919年から1928年までの期間に非常に高い気温が観測されていたことも、この説を裏付けています。

2. 温度計の交換: 観測所の一般的な最高気温計が故障したため、温室で使われるような最高最低気温計が較正されずに使用されたことも、記録の信頼性を損なう要因となりました。

最高気温記録の修正

2012年9月13日、記録からちょうど90年後、世界気象機関（WMO）の調査チームは、この記録が誤りであったと発表しました。旧式の温度計に不慣れな担当者が、実際よりも約7℃高く読み取っていたことが判明したためです。その結果、当時の最高気温は、1913年にアメリカのデスバレーで記録された56.7℃に修正されました。

現在の状況

アジージーヤは、もはや「地球上で最も暑い場所」ではありません。その称号は、年間平均気温が34.4℃にもなるエチオピアのダロルが保持しています。

アジージーヤは、その記録的な気温のイメージとは異なり、リビアの重要な交易都市として、その歴史と役割を静かに刻み続けています。

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